上海訪問から数々のハプニングを経て、ようやく到着したドイツの首都ベルリン。ここには4日間滞在する予定です。
だけど到着初日は深夜の駅に取り残されるという、とんでもない事態となってしまい、仮眠明けの2日目からやっと行動開始となりました。
ベルリンは大きな街なので、移動の際には必ず公共交通機関を利用することになり、交通網は発達していて便利です。
ただ私は乗り物オンチであるため、駅を探したり切符を買ったりルートを調べるのがスムーズに行かず、かなりの時間がかかってしまいました。
逆を言うと、乗り方に慣れてしまえばベルリンの移動は楽だと思います。今回は滞在中に訪れた場所と、その行き方についてご紹介します。
ベルリンの公共交通機関について
ベルリンの交通は、Sバーン (列車)、Uバーン(地下鉄)、トラム(路面電車)、バスを使って各所へ移動することができます。
これらは慣れてしまえばとても便利ですが、少し戸惑う部分もあると思うので、最初に軽く乗り方の説明をしておきます。
ベルリンの交通チケットの買い方
トラム内に設置してある切符の自動販売機
まず、チケットはどの乗り物にも共通して使えます。例えば地下鉄駅で買ったチケットを、バスで使うことも可能です。
Sバーン (列車)、Uバーン(地下鉄)は切符の自動販売機が駅の入口に、トラム(路面電車)は車内に設置されています。
バスは利用してないのでわかりませんが、情報によると運転手から直接購入できるそうです。駅に窓口や売店があるならばそこでも購入可能でしょう。
こちらはUバーン(地下鉄)で購入する際の画面です。
表示はもちろんドイツ語ですが、言語がいくつか選択できるので、英語にしておくとわかりやすいでしょう。言語変換は右下の黄色いボタン。
目的地がどのエリアかによって選ぶチケットが異なりますが、ベルリン観光のほとんどはABエリアとなるので、利用するのは赤枠で囲んだ部分です。
主なチケットの種類
【Short trip】 1.7ユーロ(約230円)
短い移動のためのチケットです。SバーンとUバーンでは3駅、トラムとバスは6駅まで乗車が可能です。
【Single ticket】 2.7ユーロ(約360円)
2時間利用できる片道乗車券です。打刻機でチェックを入れた時から2時間以内であれば、何度でも乗り降り自由です。
ただ往復利用はできないので、帰りは新たなチケットが必要です。
【Day ticket】 7ユーロ(約930円)
午前3時まで自由に乗り降りできる一日乗車券です。
午前3時まで有効なので、使用開始が夕方からだとフル活用はできません。朝からいろいろな場所に移動する場合はお得です。
【4-trip ticket】 9ユーロ(約1200円)
Single ticketが4枚セットで割引になっているチケットです。Single ticketを単独で4回買うより1.8ユーロ(約240円)お得です。
列車・地下鉄・トラムの乗り方と注意点
乗車の際にはチケットを打刻機に通します。この機械は自販機の近くにあるので、忘れずに必ず行ってください。
ベルリンの駅には改札がないので無賃乗車もかんたんにできてしまいますが、ときどき私服の係員が監視していて、見つかれば罰金となるそうです。
金額は60ユーロ(約8000円)。たった数百円のために60ユーロを払うというのは、バカバカしいとしか言いようがありません。
切符はあるのに打刻機に通していない場合も対象となり、「忘れてた」「知らなかった」という言い訳は聞いてくれないらしいので気をつけましょう。
ベルリンの交通機関はここが便利
SバーンとUバーンは深夜1:00〜4:00頃までストップしますが、そのほかの時間は運行されているので、深夜と早朝の移動が可能です。
それからUバーンの駅ではフリーWi-Fiが使えます。これはツーリストにとっては大変ありがたいですね。
行き先に迷っても駅に行けば調べ物ができ、待ち合わせの際の連絡にも重宝します。
アレクサンダー広場周辺の観光
ベルリン滞在2日目は街の観光に出かけます。これといった目的はありませんが、事前に友人に教えてもらったエリアを歩く予定です。
まずはUバーンでアレクサンダー広場(Alexanderplatz)まで行き、その後はバスやトラムを使わず徒歩で移動しました。
徒歩では広範囲の移動はできませんが、エリアを絞ってゆっくり散歩するのもいいのではないでしょうか。
アレクサンダー広場駅
アレクサンダー広場駅は、Sバーン、Uバーン共に利用できるだけでなく、長距離バスや長距離列車の停車駅ともなっています。
滞在中は何かと通る機会が多いと思うので、常にここを目印に移動するとわかりやすいかもしれません。
ベルリンの歴史を感じるニコライ地区
アレクサンダー広場からてくてく歩いて、やって来たのはニコライ地区。歴史ある古い町並みが広がる、雰囲気のいい場所です。
ニコライ地区は規模は小さいですが、オシャレなカフェやショップが並んでいるので、ぶらぶらするにはオススメです。
かわいいグッズを買い物したり、夏場であれば天気のいい日に、外でビールを飲んでもいいでしょう。
ベルリン最古の教会「聖ニコライ教会」
ベルリン最古の教会である聖ニコライ教会。個性的な二本の塔が目印で、中は博物館となっています。
入場料は5ユーロ(約670円)で、入るかやめるか迷いましたが、スタッフのみなさんがとても親切だったので、つられてチケットを買ってしまいました。
受け付けのおばちゃんが音声ガイドをすすめてくれましたが、きっと何語で聞いてもよくわからないので見るだけにしました。
だけどこのような場所では説明があった方が面白いので、ドイツ語か英語が理解できる方はガイド付きで見学してはいかがでしょうか。
教会というのは国によってそれぞれ違った個性を持っていますが、ドイツの教会はあまりゴテっとしていない印象です。
聖ニコライ教会の内部は白を基調としたデザインであり、シンプルな中に華麗な彫刻やパイプオルガンも見られました。
存在感のあるベルリン大聖堂
聖ニコライ教会からまっすぐ川へ突き当たり、その先に見えたのはとても風格のあるベルリン大聖堂。個人的にはとてもおすすめの場所です。
私は大聖堂が大好きなので、この姿が見えたときには目がハートでした。ドーム型の屋根が特徴で、流れる川と行き交う船がより美しさを引き立てています。
入場料は7ユーロ(約940円)とちょっと高めです。だけど第一水曜日は無料らしいので、滞在日がかぶる場合は利用するといいでしょう。
ベルリン大聖堂の内部
内部は広ーい空間で、高い天井に細かい装飾が施されています。
ベルリン大聖堂は第二次世界対戦中に破壊されましたが、その後長い時間をかけて修復が行われ、完成したのは近年になってからなのだそうです。
高さ114mの建物はかなりの存在感で、外観もさることながら、内部もじゅうぶんな見ごたえを感じます。
ベルリン大聖堂の展望台
見ごたえがあるのは建物だけでなく、なんと270段の階段をのぼった天蓋部分から、ベルリンの街を360度見渡すことができるのです。
長い階段をのぼるのは大変ですが、ここから見る景色と風は爽快なので、是非足を運んでみることをおすすめします。
上階と地下は歴史を学べる博物館
展望台へ行く途中には彫刻や模型や資料などの展示物が置かれており、そして地下にはホーエンツォレルン王家の棺が安置されています。
ベルリン大聖堂はこのように、教会と博物館がセットになっているため、ベルリン観光には外せないスポットといえるのではないでしょうか。
ベルリンのテレビ塔
再びアレクサンダー広場駅に近づき、周辺のお散歩です。こちらはベルリンの名所のひとつであるテレビ塔。全長368mで展望台の高さは204mだそうです。
私は中には入りませんでしたが、入場料は13ユーロ(約1730円)。エレベーターで一気に展望台へ向かいます。
展望台は眺めの良さはもちろんのこと、レストランやカフェもあるそうです。夜景を見るには最高のスポットかもしれませんね。
アレクサンダー広場周辺のその他の観光
そのほかにも、アレクサンダー広場周辺にはこのような場所がありました。
どのスポットも同じエリアに固まっているので、歩いていればすぐに見つかると思います。
森鴎外の小説の舞台となった「聖マリエン教会」。ここはベルリンで2番目に古い教会なのだそうです。
ひときわ目立つレンガ造りの「赤の市庁舎」。現在のベルリン市庁舎であり、その名の通り赤い色をした建物です。
銅像が噴水となっている「ネプチューンの噴水」。ベルリンを代表するモニュメントのひとつであり、周りに人々のくつろぐ姿が見られます。
ベルリンの壁とポツダム広場
イーストサイドギャラリー
ベルリン滞在3日目は、「ベルリンの壁」を見るためにイーストサイドギャラリーへ向かいました。
私は世の中の出来事に関心を示すことが少ないのですが、ベルリンの壁が崩壊したときのニュースはとてもよく覚えています。
訪れてみた感想は、壁の薄さに驚きました。役目としては重い存在だったにもかかわらず、実物はあまり厚みのない塀があるだけでした。
しかしこの人間が作る「境界線」というのは、とてもおかしなものですね。
誰のものにもなり得ない大地に線を引き、そこにルールを設け、通行を禁止したり争ったり売買したりするのは、当たり前のようでちょっと滑稽に感じます。
イーストサイドギャラリーは壁に様々な絵が描かれ、アーティストの名前も添えられている「ギャラリー」となっています。中でももっとも有名なのはこちら。
旧ソ連のブレジネフ書記長と旧東ドイツのホーネッカー書記長のキス。これはイメージ画だとばかり思ってましたが、そうではないようです。
ロシアでは男性同士が「親愛のキス」をする時代があったそうで、モデルとなった実際の写真も残っています。
この辺りはシュプレー川に面していて、向こう側には雰囲気のある、オーバーバウム橋の建物を見ることができます。
川ぞいではたくさんの人が、それぞれのくつろぎの時間を過ごしていました。
イーストサイドギャラリーへの行き方
イーストサイドギャラリーの最寄駅は、Sバーンの「Ostbahnhof」で、駅を出てすぐの場所からアートの施された壁を見ることができます。
それより少し遠くなりますが、Uバーンの「Schlesische tor」も最寄駅のひとつです。
「Schlesische tor」から向かう際にはオーバーバウム橋を通過するので、お散歩コースとしてはこちらの方がおすすめです。
位置的には「Ostbahnhof」と「Schlesische tor」の間にイーストサイドギャラリーがあるので、どちらかの駅に向かう形で歩いてみるといいでしょう。
ポツダム広場のソニーセンター
イーストサイドギャラリーを訪れた後は、ドイツ人の友人に会うためにポツダム広場のソニーセンターに向かいました。
ソニーセンターとは複合商業施設であり、多くのカフェやレストランやショップが集まるとても近代的な場所です。
内部の写真が一枚もないのですが、この近代化された様子はどこか日本に似ている気がします。
ポツダム広場駅
ポツダム広場駅(Potsdamer Platz)はSバーン、Uバーン共に利用可能で、広場の地下に駅が存在しています。
駅に向かう通路の途中には、ベルリンの激動の歴史を記録した写真が展示されており、友人がそれを見ながらいろいろ説明してくれました。
だけどビールを飲んだ後は、脳内の翻訳機能が著しく低下するので理解ができず…まぁ、とにかく楽しい時間を過ごせました。
ホーエンシェーンハウゼン記念館
ベルリン滞在4日目。この日は午後からチェコに向かうため、ベルリン観光の最終日となります。
あまり時間がないので出歩くのをやめようかと思いましたが、じっとしているには中途半端だったので、ちょっと足を伸ばしてこちらに来てみました。
政治犯を収容していたシュタージ刑務所
ここはホーエンシェーンハウゼンという場所にある、かつて政治犯を収容していたシュタージ刑務所です。
イメージとしてはもっと観光地化されているのかと思っていましたが、実際はいかにも監獄チックな物々しい雰囲気の場所でした。
門の前には報道陣のような人がたくさんいて、入っていいのかとウロウロしてしまいましたが、中に向かうとインフォメーションがありました。
だけど残念なことに見学はここで終わりです。なぜなら私は大荷物を抱えていたので、このまま中へ入ることはできません。
手前のショッピングモールではコインロッカーが見当たらず、とりあえず現地まで来てみましたが、やはり預かってはもらえませんでした。
ちなみにホーエンシェーンハウゼン記念館には、普通サイズの手荷物を入れるコインロッカーがあるので、通常であればこちらを利用すると便利でしょう。
ガイドさんはシュタージ刑務所経験者
刑務所内部を見るにはガイドツアーの参加が必要で、フリーで入ることはできません。
なんとガイドさんの中には、実際にここに収容されていた人もいるそうです。それだけにとてもリアルな話が聞けそうですね。
説明は英語かドイツ語で行われるようですが、あまりない機会だと思うので、次回ベルリンを訪れた時にはぜひ参加してみたいです。
ホーエンシェーンハウゼン記念館の行き方
トラムM6の「Genslerstr」駅前
ホーエンシェーンハウゼン記念館は、アクセスしやすい場所にありません。
大雑把な説明となってしまいますが、最寄り駅は列車ではなく、バスかトラムでできるだけ近くへ行き、あとは徒歩で向かう方法になります。
私はトラムM6の「Genslerstr」から、ショッピングセンターをつっ切る形で歩いたのですが、荷物を持っていたこともあり、決して近くには感じませんでした。
それかトラムM5の「Freienwalder Str」も最寄駅となるようです。どちらもホーエンシェーンハウゼン記念館まで徒歩10〜15分くらいだと思います。
ベルリン観光をした感想
ベルリンはとても都会でありながら、せかせかした雰囲気ではなく、芝生で人々がくつろぐ姿が印象的でした。
先進国というだけあって不便はありませんが、その一方で置き引きなどの軽犯罪が増加してることを耳にしました。
不運にも私はホーエンシェーンハウゼン記念館の帰り道、トラムの中でスリに遭ってしまったのですが、このようなトラブルだけは絶対に避けたいところです。
【トラム内での盗難の記事】
ドイツでスリに遭いました!海外での盗難対策と荷物の持ち方の失敗例
乗り物オンチにとってベルリンの移動は若干ハードでしたが、このような都市観光もたまには面白いかと思います。