歴史的建造物が多く残るチェコ共和国。日本人にとっていまいちメジャーな国ではありませんが、とても趣きのある美しい場所です。
夏は湿度が低いため過ごしやすく、冬はとても冷え込みますが、うっすら雪のかぶった街並みがさらに雰囲気を増しています。
魅力的なのは景色だけでなく、物価が安く滞在しやすいため、とてもおすすめする国のひとつです。
チェコ旅行の際に必要な物を、現地の情報を交えてまとめました。これからヨーロッパ旅行を検討している方の参考になればと思います。
チェコ旅行の前に必要なもの
日本からチェコまでの行き方
プラハ空港までのフライト時間
日本からチェコへの直行便はありません。そのため必ずどこかの国を経由することになりますが、乗り継ぎ時間が短いチケットでも13時間以上はかかります。
フライトによっては24時間以上かかる場合もあるので、丸1日は移動と思って予定を立てた方がいいでしょう。
時間に余裕があるのであれば、乗り継ぎの空港で一時入国するのもいいと思います。時差は日本の方が7時間早く進んでいます。
チェコ往復の飛行機代の目安
チェコ行きの往復航空券は、安いものだと5万円台を見つけたことがありますが、乗り継ぎが数回あったりとスムーズではありません。
ただチケットに関しては、タイミングが良ければいいものが見つかる可能性も大いにあるので、金額だけで判断できないのが正直なところです。
そのため航空券の相場は、7万円台から13万円くらいと思っていればいいのではないでしょうか。
出発日が1日違うだけで数万円変わる場合もあるので、航空券を探す際にはマメにチェックすることが大切です。
チェコ観光にかかる日数の目安
プラハのみの観光であれば、2日もあれば各所を回れると思います。
プラハ以外を訪れる場合も観光自体は1日で終えることができますが、チェコの鉄道はスローなため、移動に時間がかかるかもしれません。
ただ大きな国ではないので、プラハから各都市までの日帰り観光も可能です。時間があるのであれば一泊するのをおすすめします。
すべての旅行期間の目安としては、日本を出発してから最短でも1週間以上は欲しいところです。
プラハからの所要時間の例
プラハ→チェスキークルムロフ 片道約3時間(バス)
プラハ→ブルノ 片道約2時間半(バス)
プラハ→コリーン 片道約35分(電車)
プラハ→クトナーホラ 片道約1時間(電車の乗り継ぎ有)
チェコはシェンゲン協定加盟国
チェコはシェンゲン協定加盟国なので、隣国から入国審査なしにバスや電車で入国することも可能です。
例えばドイツに入国したあと、観光しながらバスでプラハに向かうプランなども、いいアイデアではないでしょうか。
シェンゲン圏への旅行は180日間で90日までの滞在であればビザがいりません。
短期旅行の場合はほとんど問題ありませんが、過去180日以内にシェンゲン圏内に入国している方は、可能な日数を確かめた上で出発してください。
※2020年より電子渡航認証システムが導入されるとの情報です。今後の入国システムの変化にご注意ください
チェコの外国人警察と届け出方法
クトナーホラの外国人警察の入口にて。
チェコへ滞在する際は、目的が観光であっても入国から3日以内に外国人警察に届け出なければいけません。
ホテル泊の場合は施設側で届けてくれるため何もする必要はありませんが、それ以外の場合は自分で出向くことを忘れずに行いましょう。
持ち物はパスポートと、英語かチェコ語で書かれた海外旅行保険の証明書です。ちなみに外国人警察では英語が通じる率は低いのでご注意ください。
外国人警察プラハ事務所の所在地・連絡先は次のとおりです。
住所:Olšanská 2, 130 51, Praha 3
電話:974 820 229
メールアドレス:krpa.ocp.podatelna@pcr.cz
ホームページ:http://www.policie.cz/clanek/odbor-cizinecke-policie-540818.aspx
プラハ以外の地域につきましては、以下の外国人警察ホームページ等で管轄する事務所をご確認願います。
外国人警察HP:http://www.policie.cz/imapa.aspx
内務省HP:http://www.mvcr.cz/mvcren/article/contacts.aspx
多くのツーリストはプラハへ行くと思いますが、私はクトナーホラの外国人警察へ行きました。
混んでいる場合は待ち時間が長いため、可能であればプラハ以外の外国人警察を訪れた方が空いていると思います。
チェコ入国後、3日以内にクトナーホラを訪れる予定の方は、観光ついでにこちらで届け出をしてはいかがでしょうか。
住所:Na Náměti 412/8, 284 01 Kutná Hora
電話:974 875 111
チェコ入国には海外旅行保険が必須
チェコへ入国するには海外旅行保険の加入が必須であり、金額は治療・傷害・死亡、それぞれ3万ユーロ以上支払われることが必要です。
入国審査で証明書の提示を求められることはほとんどありませんが、外国人警察へ届け出の際には、パスポートと共に保険証明書を提出します。
保険はクレジットカード付帯のもので問題ありませんが、一枚では金額が足りない場合があるので、その際は数枚集めて総額3万ユーロにしてください。
海外旅行保険証明書は英文で用意する
証明書は英語かチェコ語であることが必要なので、加入している保険会社に連絡をし「英文で書かれたものを」とお願いすれば、自宅に送ってもらえます。
保険会社にもよるかと思いますが、チェコ語での証明書を発行してくれるところは稀なので、必ず英文でお願いしましょう。
手元に届くまでに一週間くらいかかるので、出発直前ではなく早めの取得をおすすめします。
チェコ滞在のための必要情報
チェコの通貨はコルナ
チェコの通貨はコルナ(Kč)です。ユーロでないのが不便ですが、プラハ市内、または観光客が訪れる場所ではユーロで支払えるところもあるようです。
私の経験では、プラハからコリーンに行く電車とプラハ城内ではユーロの支払いがOKでした。
ギフトショップやカフェなどでもユーロとコルナの両方の表示がある場所が多いです。
ただプラハのすべてではないのと、郊外ではコルナのみの場所が多いので注意しましょう。
チェコの物価は安い
町のピザ屋にて。4分の1サイズで30コルナ。約150円です。
チェコの物価は比較的安く、日本で同じように過ごすよりも、お得に感じられると思います。
私はチェコでホテル泊をしたことがないのですが、調べた限りでは5千円〜1万円くらいの部屋が多く、ゲストハウスは2千円以下もあるようです。
レストランも安く利用できるので、長期滞在しやすい場所かもしれません。
もちろん場所にもよりますが、友人とレストランに寄ったとき、生ビール4杯にチーズ一皿とバケットが付いて約1000円くらいでした。
それから水よりビールが安いと言われるチェコですが、ピザ屋にあった500mlの缶ビールは25コルナ(約124円)、スーパーマーケットでは(約84円)でした。
チェコの言語と英語が通じる率
チェコの公用語はチェコ語です。英語を話す人は多いですが、必ずしも通じるわけではなく、伝わる率は半々といったところです。
プラハ市内や観光地ではそれほど不便はないですが、一般人に道を聞くときなどは、言葉がわからないからと拒否される場合もあります。
そして郊外へ行くほど言葉は通じませんが、郊外へ行くほど人が親切なので、訪ねればサポートしてくれる人はきっといると思います。
チェコの治安
チェコの治安は基本的にはいいと思います。ただ郊外では危険度が低いですが、プラハではスリや置き引きなどの被害があるようです。
そのため財布やパスポートはリュックに入れず、体の前で持つようにしましょう。レストランでトイレに行く際も、貴重品は持った方が良さそうです。
それからプラハのタクシーはぼったくりがあるようなので、ツーリストだけで利用する際はトラムや地下鉄を利用した方が安全です。
チェコの交通
エアポートバスの料金と所要時間
空港から移動するにはエアポートバスが便利です。
チケットは空港内の窓口で買い、建物を出て目の前がバス乗り場となります。料金はプラハ中央駅まで片道60コルナ(約320円)、所要時間は30〜40分。
地下鉄・トラムの乗り方
乗り物の苦手な私は、交通に関してスムーズにいかないことがたくさんありましたが、チェコの交通は基本的にはシンプルだと思います。
プラハで地下鉄に乗る場合は近くの売店か自販機で切符を買い、階段の手前にある機械に通しましょう。トラムもこれと同じ要領です。
日本のように自動改札がないため慣れないうちは気付きにくく、無賃乗車もかんたんに出来てしまうのが現状です。
その気がなくても切符なしで乗ってしまうことも、きっと起こり得るでしょう(何度も経験しました)。
だけどときどき駅員に切符をチェックされ、その際に持っていないと多額の罰金となってしまうので、面倒でも必ず購入するようにしてください。
チェコの列車の乗り方
列車の駅には切符の自動販売機がありません。窓口でチケットを買うか、乗っていれば駅員さんがやってくるので、そこで行き先を告げ切符を購入します。
チェコの交通機関を利用する際は、下記のアプリを取得しておくと、乗り換え、時刻、料金などがチェックできます。
ただしチェコ語で入力する必要があるので、出発地と行き先のスペルは事前にメモしておくといいでしょう。
チェコの長距離バスの乗り方
長距離バスのチケットはネット予約かバスターミナルの窓口で購入します。当日券は満員の場合があるので、ネット予約した方が確実です。
乗り降りの場所については、ひとつの街に数ヶ所のバスターミナルがある場合があるので、予約の際に確認してみてください。
【チェコを走る主なバス会社】
チェコの気候と服装
夏は太陽が出ていればとても暑いですが、空気はドライなので過ごしやすいと思います。
服装は日本の夏と同じでいいですが、ただ天気のよくない日や朝晩は冷え込むので、上着や靴下は用意した方がいいでしょう。
冬は雪がチラつきます。プラハは大雪になることは少ないですが、氷点下の気温となるので温かいコートが必要です。
郊外では雪深くなる地域もあり、気温はさらに冷え込みます。プラハでも地面が滑りやすくなっているので、足元はスノーブーツが適していると思います。
どの時期も寒くならないように、上着を余分に持つことをおすすめします。
チェコのおすすめ観光
美しい街並みの「プラハ」
プラハの建物はとても美しく、街を歩いているだけで観光ができます。
特に有名な観光名所であるプラハ城は、世界一大きい城といわれるだけあり、とても見応えのあるスポットです。
プラハの夜景もとても美しいので、朝から夜まで街歩きを楽しめるでしょう。
【プラハ参考記事】
プラハの観光名所とビアレストラン!チェコ旅行におすすめの世界遺産の街と穴場スポット
骸骨の教会のある「クトナーホラ」
プラハから少し離れた町「クトナーホラ」は、大聖堂や多くの人骨で装飾された教会がある場所です。
雰囲気のある古い街並みと、プラハに引けを取らない美しい夜景を見ることができ、個人的な好みでいえば、チェコでもっとも好きな町です。
プラハからの日帰りも十分可能ですが、是非この町に一泊して、夜のクトナーホラを楽しんではいかがでしょうか。
【クトナーホラ参考記事】
世界遺産の町クトナーホラの行き方・観光の見どころ・所要時間、おすすめ墓地教会セドレツ納骨堂
チェコ共和国の第2の都市「ブルノ」
プラハの次に大きな街であるブルノ。チェコ共和国の第2の都市でありながら、騒がしすぎず静かすぎず、ゆっくりとできる街だと思います。
お城や教会など見どころはいくつかあり、ここにもたくさんの人骨が収められている教会があります。
プラハからは少し遠いですが、バスで一本で行けるためアクセスは難しくありません。
【ブルノ参考記事】
チェコ第2の都市ブルノの行き方とおすすめ観光!街の見どころ情報と私が感じたブルノ旅行
世界一美しい街「チェスキークルムロフ」
オーストリアの国境近くの街チェスキークルムロフは、世界一美しい街というキャッチコピーが付くほどの人気の高いエリアです。
展望台から見下ろす街並みは、まるで絵本がそのまま現実になったような、ヨーロッパの美しい世界が広がっています。
【チェスキークルムロフ参考記事】
世界遺産の町チェスキークルムロフの行き方と見どころ!プラハから日帰りできるチェコで人気の観光地
古く小さな町「コリーン」
プラハから電車に乗って約30分。古く小さな町「コリーン」に到着します。
これといって目立った見どころはありませんが、チェコは古く小さな町ほど独自の魅力があるので、観光地から外れて散歩してみてはいかがでしょうか。
教会や建物の雰囲気とともに、素朴な空気を味わってみてください。
【コリーン参考記事】
チェコの歴史を感じるコリーンの教会と町の魅力!プラハから列車ですぐの古き町
チェコ共和国を旅して
私が最初にチェコを訪れたのは、一年でもっとも寒い1月のこと。その冬は特に雪が多く、木々が凍って美しく光っていたのが印象的でした。
泊まっていたのは田舎町で、その小さな駅に到着すると、静まり返った空気の中に自分の足音だけが消えていきました。
抽象的な言い方になりますが、それは街を歩いていても実は同じで、私が感じるチェコは「音がない」というイメージでした。
それはちょっと不思議で、ちょっと温かく、ちょっとクリアな世界である気がします。
美しい国チェコ共和国で、それぞれの時間をぜひ楽しんでください。
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