旅に語学は付きものですが、大人になってから学び始める場合は、何から手をつけていいかわかよくわかりませんね。
私は40歳を過ぎてから英語を学び始め、学生時代もまともに勉強をしたことがなかったので、慣れるまでには長い時間がかかりました。
慣れたといっても話せないことに慣れただけで、会話ができるわけではありません。だけど片言ながらも外国人の友達と電話をしたり、旅に出れば日本語のない環境で過ごしたりもしています。
語学とはゴールがあるものではなく、共に生きていくものかもしれません。学習に関するエピソードや感想をまとめたので、これから旅と語学を始めたい方への参考になればと思います。
旅に英語はどこまで必要か
短期旅行ならボディランゲージで乗り切れる
英語は話せた方がもちろん便利ですが、観光目的の短期旅行であれば、会話力は必須ではありません。なぜなら観光で使う言葉というのは答えが明確なので、少しの単語とボディランゲージでもなんとか乗り切れます。
安心を優先するならパッケージツアーを利用すれば、手配はすべて旅行会社がやってくれて、場所によっては日本人スタッフが出迎える送迎サービスも行なっています。
それからネットを開けば旅で使えるフレーズがたくさん出てくるので、レストランや道を尋ねるときのために、使いそうな言葉をメモしておくと役立ちます。
入国審査のときも、旅の目的と滞在期間と滞在先を書いたメモを提示すれば、大抵はすんなり通してくれると思います。
もし止められたとしても、きっと目的や滞在先が明確でないなどが原因で、メモだからという理由ではないはずです。
「言葉が通じなくても心は通じる」は勘違い
会話力が必要になってくるのはそれ以外の旅のときです。
例えばその時々で情報を得ながら旅をしたり、長期滞在をする場合など。それから現地の人とダイレクトな関わりを持ったときには、ボディランゲージだけでは補いきれなくなってきます。
言葉が通じなくても心は通じる!というのは旅初心者が言いがちですが(私もよく言ってました‥)、これは単なる思い違いか、自らの旅を美化するための言いわけに過ぎません。
例えば日本で外国人ツーリストと知り合い、相手がよくわからない単語を並べて一生懸命に話していたら、耳を傾けるし笑顔も向けるけど、それで心が通じたとは言いがたいですね。
会話は言葉というツールを使った、伝えることと受け取ることのキャッチボールなので、この勘違いは壁にぶつけたボールを受け取って喜んでるのと同じです。
もちろん言葉を超えて感じられるものはありますが、多くの場合は心が通じたのではなく、親切に対応してもらえただけだと思います。
語学力ゼロから1人旅を始めた体験談
「英語が話せない」のレベルとは
英語が話せない、という人はたくさんいますが、そのレベルは様々です。
すらすらと出てこなくても、ゆっくり考えながら文を作れる人、かんたんな単語だけなら言える人、単語すら知らない人など、話せない中にも違いがあります。
私が旅を始めたときはどうだったかというと、日本人が日常的に使っているカタカナ英語を知っているだけでした。
空港で乗り継ぎゲートを訪ねるのに「excuse me」と言うことができず、レストランで店の人が話しかけてきたときも、何を言っているかまるでわからないので「yes」「no」すら出てきませんでした。
レベルでいったらきっと、小学生くらいだったと思います。
ゼロからのスタートでも大丈夫
バンコク、タニヤ通りにて。このあと刺激的なショーが観れる店に拉致されました‥(笑)
中学英語ができる程度でじゅうぶん、などという人は多いですが、「excuse me」も言えない私には中学英語なんて遠い世界でした。
それなのに1人で海外へ出かけるなんて度胸がある、と言われることがありますが、実は持っていたのは度胸ではなく、話せなくても大丈夫なんだという思い込みでした。
私の家の近所には、アジア系外国人が働くパブやスナックがたくさんあり、中には来日したばかりで日本語をまったく話せない人もいます。
冗談まじりの悠長な日本語でお客さんを楽しませるベテラン外国人も、最初は「こんにちは」も言えないまま日本に来たと話していました。
だから、日本語が話せないのに日本で生活できるのなら、旅するのに英語が話せないくらい、大したことではないというイメージを持っていたのです。
で、実際に旅に出てみてどうだったかというと、確かに大したことはありませんでした。それは、わからなくてもへっちゃらという意味ではなく、ゼロからのスタートでも問題ないという意味です。
実際に試してみた英語学習方法
「日本人は真面目に勉強するのに英語が話せない」と聞きますが、それは本当なのでしょうか。
習得していない私がいうのもおこがましいですが、日本人は英語が話せないのではなく、単に会話のチャンスが少ないだけで、実践を続けていれば必ず身につくと思います。
私がこれまで行ってきた学習例をあげてみました。あくまでも個人的な評価となりますが、おすすめ度を3段階で評価しているので参考にしてみてください。
読み書きをしながら学ぶ方法
中学英語の問題集をやってみる
おすすめ度:★★
まず最初に始めたのは中学英語のおさらいです。内容はすっかり忘れていても、1度は触れたことがあるものなので、入口にはしやすいかもしれません。
本屋に行けば問題集がたくさん売られているので、字が大きく見やすいものを選び、中一からやってみました。学校で教える英語は実用的ではありませんが、基礎は学べると思います。
でも途中で飽きてしまったので、中二の途中でやめました。ここは学習というよりウォーミングアップとしてやってみてはいかがでしょうか。
CD付きのフレーズ集や単語の本を買う
おすすめ度:★
TOEIC英単語やフレーズ集も本屋でたくさん売られています。その中でCD付きのものを選び、iPodで聴きながら暗記にチャレンジしました。
結論から言うと、これで身に付くことはありませんでした。フレーズも本の中から覚えたものはひとつもなく、勉強している感はありますが、何より面白くなかったです。
ただ、言葉を覚えるのに音を聞くことは重要なので、使い方次第では悪くないかもしれません。
オリジナルの単語帳やフレーズ集を作る
おすすめ度:★★★
話そうとしたけど単語を知らなかったり、読めないものが出てきたときなど、わからないことを調べたあとにそれらを書き留め、自分だけのオリジナル単語帳を作るのはおすすめです。
ここには「実際に使おうとしたけどわからなかった」という前提があるので、自分に必要な言葉を優先的に覚えることができます。
それから辞書では堅苦しく表現されている言葉も、実際はかんたんな言い回しであることも多いです。なので、これらをできるだけ自分の言葉でメモしておくと、フィットしやすいと思います。
単語帳の作り方については、以下の記事で詳しく説明しているので、
英単語を暗記するコツはオリジナル単語帳を作ること!大人が始めるおすすめ英語学習方法
インターネットを使って学ぶ方法
スマホアプリで遊びながら覚える
おすすめ度:★
英語学習のスマホアプリも種類が豊富で、遊びながら学べる手軽さが魅力です。だけど学習という面ではこちらもあまり、相性の良いものに出会ったことがありません。
でもゲーム感覚で楽しめるのであれば、英語に慣れるという意味では悪くないと思います。
英語字幕でムービーを観る
おすすめ度:★★★
海外ドラマや映画などを英語字幕付きで観ながら、知らない単語やフレーズをチェックしていくと、どのような場面で使われるのかを、ストーリーの中から感じ取ることができます。
こまめに一時停止しながらくり返し発音すれば、リスニングとスピーキングの練習にもなるでしょう。
学習目的なのでマニアックなストーリーでない方がいいですが、楽しみながら観るのであれば、どんなものでも効果的だと思います。
私がよく観るのは「リトルチャロ」という英語学習用のムービーです。内容が優しくストーリーも面白いので初心者にはおすすめです。
外国人とチャットをする
おすすめ度:★★★
外国人とのリアルな会話の中から言葉を覚えるのは、とても実用的でおすすめです。
私は翻訳機能を使いながらチャットをし、終わったあとに会話履歴をチェックして、わからない言葉の意味を調べます。
外国人の友達は旅をしていれば自然とできますが、まだその前の段階であるならば、ランゲージエクスチェンジができるアプリなどを活用すれば、日本人と友達になりたがっている外国人と知り合えます。
HelloTalk 世界最初の言語交換ソーシャルネットワークアプリ
ランゲージエクスチェンジとはお互いの言語を学び合うのが目的ですが、ただ出会い目的の男性もたくさんいるので、女性が利用するには少々注意が必要かもしれません。
だけどこちらが望まないことを言われたときは、きちんとお断りすればいいだけで、そんなやり取りも練習のうちだと思います。
なぜなら女1人で旅をしていると、勘違い男はわんさか寄ってきます。1人だから男性を求めていると思われたり、お金目当てに愛を語ってきたり、中にはずる賢く誘導してくる人もいます。
ランゲージエクスチェンジは、もちろん厄介な人ばかりではないので、根気よく探して行けばいい友達を見つけることも可能です。
使い方やチャットの様子などを以下の記事にまとめたので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
英語アプリを使った無料のおすすめ学習法!ランゲージエクスチェンジの使い方とメリット・デメリット
YouTubeで英語学習の動画を観る
おすすめ度:★★★
YouTubeを活用するのもいい学習方法だと思います。面白いチャンネルが見つかれば手軽に楽しく学べて、実用的な言葉を覚えることもできます。
英語学習以外の動画から新しい言葉を得ることもあるので、空いた時間にはYouTubeなどを活用して、常に英語に触れているといいでしょう。
講師に教えてもらい学ぶ方法
英会話教室に通う
おすすめ度:★★
家の近所のイギリス人講師が教える英会話教室に通い、週に1度45分のマンツーマンレッスンを受けました。結果は2年半通ってほとんど上達しませんでした。
ネイティブ講師と直接話しができるので、初心者としてはムダではなかったと思いますが、週1のレッスンだけではまず身に付きません。
英語は短時間でも毎日話すことが大切だと思います。
オンライン英会話レッスンを受ける
おすすめ度:★★★
レッスン料のお得なオンライン英会話
英会話教室に2年半通ったあと、オンライン英会話レッスンに切り替えました。私にはこれが意外と効果的で、数ヶ月ぶりに会った友達に「前より上達してるけどどうしたの?」と言ってもらえました。
オンラインでは毎日50分のレッスンが受けれるので、ここだけ比較しても英会話教室の7倍です。ちなみにレッスン料もこちらの方がずっとお得で、好きな時間に受けれる手軽さも魅力です。
初心者には向いていないという声も?
だけどオンライン英会話レッスンは、初心者には向いていないと評価しているサイトも多いです。その理由は講師が英語でレッスンを進めるので、ある程度話せるようになってからじゃないと理解ができない、理解できなければ時間のムダ!というわけです。
それを見たとき私にはムリかと迷いましたが、ではその「ある程度話せるようになる」のはいつだろうと疑問が湧きました。
私はその方法知らないので、考えるよりもとりあえずはじめてみました。今まで日本語で説明されてたって話せるようにならなかったので、ここまできたらもう同じです。
プランの立て方次第で上達可能
やってみた感想としては、オンライン英会話レッスンは会話レベルが問題ではなく、レッスンプランを自分で立てれるかどうかが重要な気がします。
なぜなら学校のように「次はこれについて勉強しますよ」と、こちらが黙っていても誘導してくれるスタイルではありません。何をどのように学習するか、自分で流れを作っていけるならば上達は可能だと思います。
もしわからなければ、サイト内に用意されている教材をイチから順番に進めてもいいし、慣れたところで違う学習に変えるのも自由です。
予約の際に子供の学習に対応している講師を選び、レッスン希望を記入する欄には「私を子供だと思って話してください」と書いたこともありました。
ちなみに私は教材を使うレッスンが好きではないので、まずYouTubeやチャットで使えそうなフレーズを覚え、それをオンラインレッスンで練習しながら間違いを直してもらっています。
講師はこちらが下手でも丁寧に対応してくれますが、中には波長の合わない人もいれば、聴き取りにくい人もいます。
だから相性のいい講師を数人見つけて、学びやすい環境を作っておくのも大事なポイントです。
オンライン学習を始めるにあたっての、進め方について以下のページで説明しています。私の実際の体験談も書かれていますので、こちらも合わせてご覧ください。
オンライン英会話で超初心者向けレッスンをするコツと英語学習のメリット・デメリット
海外の日本語学校を訪問して感じたこと
カトマンズの語学学校にて。私は後ろで生徒さんのノートをのぞき見中。
私はときどき、旅先で日本語学校を訪ねます。生徒はすでに日本に興味を持っている人たちなので、すぐに仲良くなれるし彼らから学ぶことも多いです。
彼らは平気で言葉を間違えますが、聞いてる側としては少しも変に思わないし、むしろ積極的に話してくれると嬉しいです。
このように、間違いを恐れないことや積極性を持つのはとても大切です。英語の場合も「話せるようになってから‥」などと言わずに、思い切って会話の中に飛び込んでいってみてください。
外国人から学ぶリアルな英会話
モンゴルの日本語学校の修了式にて。みなさん驚くほどに日本語が上手です。
あるとき外国人の友達に「yes」「no」は日本語でなんていうの?と聞かれたので、「はい」「いいえ」と答えました。一見当たり前の回答ですが、このときある疑問が湧きました。
「いいえ」は日本語を勉強する外国人が、かなり早い段階で覚える言葉であり、使う場面も頻繁に訪れると思います。
だけど私たちは日常で「いいえ」とどれだけ言ってるでしょうか。「no」を意味する言葉を使うとき、「ダメ」「違う」「できません」「結構です」など、別の言葉を使う方が圧倒的に多いでしょう。
これは私たちが英語を学ぶときも同じであり、話せないからぎこちないのではなく、始めからぎこちない形で覚えているのかもしれません。
だからできるだけリアルな会話に触れながら、学習を続けていくのは大事です。言葉という新しいツールとともに、ステキな旅を楽しんでください。