リトアニア第二の都市であるカウナスは、比較的大きな街でありながら落ち着いた雰囲気があり、その中に見どころが点在しています。
リトアニアと聞いてピンと来ない方も多いと思いますが、第二次大戦中に滞在していたある日本人との関りがあることから、ちょっと親しみの持てる観光ができるかもしれません。
そんなカウナスの見どころを、3つのエリアに分けてご紹介します。
1.カウナス旧市街の観光
カウナス観光のメインともいえる旧市街。数々の歴史的建造物が並んでいます。中でも見どころとなるいくつかのスポットをご紹介します。
ヴィリニュス通り
カウナス旧市街のメインストリートである「ヴィリニュス通り」。石畳の道に古く可愛らしい建物が並んでいます。
ヴィリニュスといえばリトアニアの首都ですが、その「ヴィリニュスに続く道」としてこの名前が付けられたのだそうです。
こじんまりとしていますが、ギフトショップにギャラリーにカフェやレストランなどが多くあり、またどこか落ち着いたところが旧市街の味わいをかもし出しています。
聖ペテロパウロ教会(カウナス大聖堂)
ヴィリニュス通りをまっすぐ歩くと、レンガ造りの大きな教会が見えてきます。ここは聖ペテロパウロ教会(カウナス大聖堂)といって、15世紀前半に建てられたものだそうです。
内部は豪華な装飾が施されており、ホワイトなイメージのデザインとなっています。上段に置かれたパイプオルガンもステキです。
そして夜は空間に灯す明かりがなんとも美しく、幻想的な教会の姿が映し出されています。
出入りは自由で写真撮影もOKですが、現地の人々は信仰心があつく熱心なので、くれぐれも祈りを捧げている人の邪魔にならないように気を付けましょう。
旧市庁舎
聖ペテロパウロ教会からさらに奥へ進むと広場に出ます。そこは旧市庁舎広場といって、白く背の高い建物が建っています。
この清楚な姿は「白鳥」といわれているそうで、中は博物館となっているので、外観も室内も楽しめます。
カウナス城
川の近くに見えるレンガ造りの小さな塔はカウナス城です。絵本に出てくるかのような可愛らしい外観ですが、歴史の中では度重なる争いが行われてきた場所です。
13世紀に建てられたあと戦争により破壊され、現在では塔と城壁の一部だけが残っており、中は博物館になっています。向かい側にはゲオルギ教会が建っています。
Confluence Park
カウナス旧市街の西側の公園です。ここは三角の地形になっていて、両サイドにネリス川とネマン川というふたつの川が流れています。
冬場は北側のネリス川には氷が浮いていますが、反対側のネマン川は水温が高いのか、氷はなく水だけが流れています。
そのふたつの川が合流して行く様子を、氷の張った地面から見ることができます。とてもきれいな景色なので、冬に訪れた際もこの公園を散歩してみてはいかがでしょうか。
また、川沿いには15世紀前半に建てられたという、古く美しい姿のビタウタス大公教会が佇んでいます。
壁のアート
カウナスでは道を歩いていると、様々なアートを見つけることがありますが、もっとも有名な作品といえば、こちらのビルに描かれたものではないでしょうか。
このビルはカウナス城の近くの広場から見ることができます。カウナスの観光パンフレットにも載っているため、見覚えがある人も多いかもしれません。
そのほかいろんな場所で外壁のペイントを見かけますが、アーティスティックなものばかりなので、道を歩きながらもいろいろと楽しめます。
リトアニア料理とカウナスのレストラン
リトアニア料理「ツェペリナイ(Cepelinai)」
リトアニアの代表的な料理に「ツェペリナイ(Cepelinai)」という食べ物があります。この名前はドイツの飛行船ツェッペリン号に由来していて、だ円の形をしています。
じゃがいもを潰して団子にし、中にひき肉を入れて作ったモチモチ食感の料理であり、それをお好みのソースでいただきます。
スーパーマーケットでもパックになって売られているので、ゲストハウスなどでキッチンがあれば、好みの味に仕上げてみると面白いかもしれません。
カウナス旧市街のおすすめレストラン
M. Valančiaus g. 9, Kaunas 44275
+370 614 05236
ツェペリナイをメニューにしている店は多いですが、カウナス旧市街のレストランがとても美味しかったので、行き先に迷っている方は参考にしてください。
こちらはふたつで4,50ユーロ(約600円)。食べ応えがあるのでほかの料理も注文する場合は、ハーフでお願いするかシェアするといいでしょう。
2.カウナス新市街と周辺の観光
どこからどこまでを新市街と呼ぶのかわかりませんが、旧市街の南側エリアにもカウナスの見どころが点在しています。
杉原千畝記念館
日本人だったら必ず訪れてほしい、かつて外交官としてカウナスの日本領事館に勤めていた、杉原千畝の記念館です。
リトアニアという国は激動の歴史を持っていますが、その動きの中で大勢のユダヤ人を救ったのが杉原氏であり、このストーリーは2015年に映画化もされています。
映画はなかなか興味深い内容であり、カウナス観光と合わせてこちらも観ておくと、よりリトアニアという国を知ることができると思います。
多くの日本人が訪れるため日本語での案内も用意されています。語学が苦手な方でも安心して楽しめるでしょう。
Vaižganto g. 30, Kaunas 01100
+370 37 332881
聖ミカエル教会
新市街のメインストリートであるライスヴィス通りをまっすぐ進むと、やがて正面に美しい大聖堂が見えてきます。
ここは聖ミカエル大聖堂といって、白い外壁とドーム型の屋根が特徴です。中も白くすっきりとした装飾で、清楚な印象のデザインとなっています。
聖ミカエル教会近くの美術館
聖ミカエル教会の向かいに美術館があり、エジプトの美術品やミイラなど、ちょっと変わった展示物も公開されています。
建物の名前がわからないのですが、聖ミカエル教会の周囲に両手を広げた男性の像があり、そこが入口となっています。
絵画なども多く展示されているので、美術館巡りのひとつにいかがでしょうか。
Christ’s Resurrection Church
丘の上にある教会です。とてもシンプルな内装で、教会というよりホールのような雰囲気かもしれません。
カウナスには教会がたくさんありますが、ほかと違うところはエレベーターで屋上へ上がり、カウナスの景色を一望できることです。
このようにちょっと変わった教会の様子を楽しんでみるのもおすすめです。
デビルミュージアム(悪魔博物館)
カウナスには美術館やフォトギャラリーが多くありますが、中でもユニークなのがこちらのデビルミュージアムです。
3000点もの展示物がありますが、どこか憎めないデビルも多く、愛嬌のあるキャラクターがそろっています。
日本のデビルとして天狗が展示されているので、是非見つけてみてください。月曜日は休館です。
3.カウナス郊外の観光
カウナス旧・新市街の南側にはもうひとつの見どころがあり、郊外であるため行き方はちょっと不便ですが、個人的にはもっともオススメしたいエリアです。
パジャイスリス修道院
17世紀から18世紀頃に建てられた修道院です。カウナス旧市街からだと5番のバスに乗車し「Petrašiūnai」で降りてさらに20分ほど歩きます。
正面の門をくぐると最初に見えてくる建物はホテルだそうで、修道院はその裏手となります。日曜の午前はミサが行われており、中に入ることができます。
敷地内はけっこう広く周囲はとても静かですが、季節のイベントが行われるなど休日には賑わいを見せています。
教会内の重圧感のある内装も素晴らしく、中央祭壇の奥の部屋にも行くことができます。
Kaunas Lagoon Regional Park
修道院の周囲にはダムがあり、まるで大きな湖のように船が停まっていたり、魚釣りをしている人の姿などが見られます。
公園を散歩しながら水辺でのんびり過ごすなど、街とは違った景色を楽しむことができるでしょう。
冬は水面が凍り、その上を歩くこともできます。ただ氷が薄くなっている場合もあるので、人のいない方向や奥へは行かないよう気を付けましょう。
カウナスの移動はバスがおすすめ
カウナスの観光エリアは範囲が広いため、移動は路線バスを利用することをおすすめします。本数はわりと頻繁にあるので不便はないと思います。
何番のバスに乗るかはグーグルマップに出てくるので、現在地と目的地を入力して調べてみてください。
【リトアニア関連記事】
ホロコーストの歴史がわかる!リトアニア・カウナスの2つの博物館
リトアニアの世界遺産!ミステリアスな十字架の丘へのアクセス(バスの行き方)
リトアニアの港町「クライペダ」と世界遺産「クルシュー砂州」!観光と行き方