ネパールに到着して10日目。ポカラから再びバスに乗り、約半日かけてお釈迦様の誕生の地であるルンビニへ向かいました。
ルンビニはとにかく暑いと聞いたので、暑さの苦手な私は行くのを迷いましたが、ここまで来たので気合いを入れて、数日だけ滞在を決めました。
結果としては訪れて良かったと思いますが、長い道のりを歩いた末に、アツアツの炭酸飲料を飲むなど、少々過酷であったことは間違いありません。
世界中から巡礼者が訪れる仏教の聖地、ルンビニ観光と村の様子をご紹介します。
ネパールの世界遺産ルンビニとは
ルンビニはネパールの南部、インド国境近くにある小さな村です。気候はカトマンズやポカラに比べてとても暑く、強い日差しが降りそそぎます。
お釈迦さまが誕生した地として知られ、マヤデビ寺院を始め、広範囲に世界のお寺が立ち並んでいます。
聖園内は厳しく管理され、釈迦が悟りを開いた場所とされる菩提樹(ぼだいじゅ)や、誕生後に沐浴をしたと言われる池などを見ることができます。
ルンビニは世界遺産にも登録されている、ネパールを代表する観光スポットのひとつです。
ポカラからルンビニへの行き方
ポカラからルンビニまでの移動はツーリストバスを使います。
乗り場はツーリストバスパークで、予約なしでも朝ここに来れば、チケットを買うことができます。
ですが、ポカラからルンビニ行きのバスは1本しかないので、早めに取っておくことをおすすめします。
私の場合、チケット予約をホテルで頼み、宿代込みでまとめて清算したので料金は憶えていません。
だけど情報によると、ポカラからルンビニまでは一番安くて700ルピー、ホテルや旅行代理店を通すと100〜200ルピーほど高くなります。
バスは朝8時30分に出発し、所要時間は8〜10時間ほどかかります。
この日はバスのタイヤがボロボロになり、何度か緊急停車をしながら、夕方無事にルンビニに到着しました。
乗り合いタクシーには気を付けて
ツーリストバスが到着する場所には、乗り合いタクシーが待機しています。彼らは詐欺師の場合があるので気を付けましょう。
私は予約しているホテルの場所がわからず、たまたま近くにいた彼らに聞いてみると、徒歩20分かかると言われたので仕方なく乗車しました。
でも実際はホテルの裏側にいただけで、徒歩2分もかかりません。
もうひと組乗車していた中国人のカップルは、ほんの50m進んだ場所で車を降ろされ、私は道を大きく一周してホテルの裏側から正面へ。
まぁネパールではよくあることですが、このあまりに単純な騙し方が怒りのツボに入ってしまい、詐欺師相手にブチ切れてしまいました。
金額は100ルピー(約108円)と大したことはなかったのですが、できれば引っかからないのが一番です。
ルンビニではほとんどのホテルやゲストハウスが徒歩圏内にあるので、わからなければ電話をするか、店の人に尋ねた方がいいかもしれません。
ルンビニのホテルとゲストハウス
ルンビニの町は貧困感漂う雰囲気ですが、仏陀誕生の聖地というだけあり、観光客や巡礼者が多く、高級ホテルもあるのが特徴です。
ルンビニでは2ヶ所の宿に泊まったので、それらの様子をご紹介します。
ホテル ミラージュ イン(Mirage inn)
まずはホテルミラージュ イン。
すっごくきれいなホテルです。エアコン付きのピカピカの部屋に清潔なシャワールーム、そして美味しい朝食付き!
ついでにマネージャーさんもめっちゃいい人で、タクシー詐欺に遭ったときに仲裁に入ってくれました。
料金はTAX込みで一泊2300円です。※時期や条件によって異なると思います
雰囲気は日本のビジネスホテル風ですが、ネパールではかなり上質です。
エアコンがあるといっても停電中は使えませんが、ルンビニはとても暑いので、一時的でも快適に過ごせると楽でしょう。
ここは前日にAgodaから予約しました。
ルンビニは宿泊施設がたくさんありますが、ネット予約ができる場所は少ないみたいです。
マヤデビゲストハウス
地図に記載がありませんがこの辺りです
ミラージュインに連泊したいところですが、旅費削減のため贅沢は一晩で終了です。翌日は近所にあるマヤデビゲストハウスを訪ねました。
Mayadevi Guest House & Hot Kitchen。2階の部屋に案内され「600ルピー(約650円)」と言われましたが、窓が小さくとにかく暑い。
端っこの部屋は空いてないの?と聞くと、その手前の部屋に案内され、「ここは800ルピー(約860円)」と。
あまり快適ではないけど、明日にはルンビニを経つし一泊だけならいいでしょ、ということでその部屋に決めました。
マヤデビゲストハウスはエアコン付きの部屋もあるそうです。おすすめの宿ではないですが、交渉した上で宿泊するならいいのではないでしょうか。
ちなみにオーナーらしき男性は、とてもゆる〜く面白い人です。
支払いには細かいお金を用意して
注意点は蚊対策が必要なのと、ゲストハウスはカード払いができるかわからないので、細かいお金を用意しておきましょう。
ネパールでは宿泊施設であってもお釣りが用意されていないため、大きな紙幣で支払うとすぐに戻って来ない場合があります。
日本のように、釣り銭が用意されてないのはサービスが悪い!という風潮はネパールにはないので注意してください。
釈迦が生まれた仏教の聖地、マヤデビ寺院
ルンビニの観光スポットはあちこちに点在しておらず、同じ敷地に仏教寺院が集まっています。
まず最初にメインとなるマヤデビ寺院があり、その奥に各国の寺院が並びます。
敷地内の移動はリキシャがおすすめ
敷地はとにかく広く、隣の寺院までの距離がやたらと長いです。
時間に余裕があれば徒歩でも行けますが、ひとつひとつをじっくり観光するには1日ではとても足りません。
短期滞在の場合は行き先を絞るか、移動手段の工夫が必要です。その際にはリキシャと言われる乗り物をチャーターするといいでしょう。
リキシャの人たちは私たちが歩き慣れないのを知っています。そのため「遠いよ〜大変だよ〜」と足もとを見てくるので、交渉は必ず行ってください。
そして親切に対応してくれた場合は、チップをあげるといいと思います。
ルンビニのラマとの会話
門の中に入るといくつかの寺院があります。そしてしばらく歩くと木の下に座るラマがいて、ここにおいでと手招きしてきました。
遠慮なくラマの隣にお邪魔して、毎日どんなことをしてるの?と聞くと、「瞑想して食事して寝ることのくり返しだよ」と話してくれました。
そして小さな金の仏陀が付いたブレスを差し出してきたので、「くれるの?」と聞いてみたら有料だそうです。
「ありがとう、でもいらない」と返すと、代わりに紫の紐を手首に巻いてくれました。
ただの紐なのですが、ネパールのラマからのプレゼント。なんだかちょっと嬉しかったです。
ブッダ誕生の聖園を参拝
マヤデビ寺院の入場料とルール
仏陀が誕生したとされる聖園への入場は、厳しく管理されています。
先に入場料を支払いますが、金額は200ルピー(約210円)で、写真撮影をする場合は別途100ドル(約1100円)がかかります。
支払いが済んだら靴を置く場所があるので、そこで裸足になってゲートへ行きましょう。
ゲート前では持ち物チェックがあるので、荷物の中身と領収証を見せて中へ入ります。
夏は地面がとても熱く、場所によってはヤケドしそうになります。
もしも皮膚が弱い方は、靴下を履いたまま入場するといいかもしれません。
釈迦が沐浴をしたプスカリニ池
仏陀の母であるマヤ夫人が出産前に沐浴をし、誕生後に産湯にも使われたといわれる池です。
噂によると釈迦は、夫人が花園に手を伸ばしたときにわきの下から生まれ、すぐに7歩いて「天上天下唯我独尊」と言ったそうです。
もちろん作り話ではありますが、それにしてもかわいくない子供ですね‥(汗)
釈迦が悟りを開いた菩提樹
こちらは菩提樹(ぼだいじゅ)といって、この木の下で釈迦が悟りを開いたといわれています。
木の中央を見つめていたら、おじさんがお香を差し出してきて、身振りで「このまわりを歩け!」と言っています。
途中でほかの人と話し込んでしまったため、そのあとの作法がわからないのですが、これで私も少し仏陀に近づけたでしょうか。
ネパールにある日本山妙法寺
マヤデビ寺院の奥には各国のお寺が並んでいて、その数は正確にはわかりませんが、多分20近くはあると思います。
一番奥にあるのは日本の寺院です。道をまっすぐ進むと白い建物が見えてくるので、迷うことはなさそうです。
散策には飲み物を持ち歩こう
たどり着いた感想は、とにかく遠かった‥。
私は距離を知らず炎天下の中をひたすら歩き、水を持っていなかったためヘトヘトになり、やっと見つけた売店で飲み物を買いました。
ただその辺りは5日間も停電しているらしく、冷えてないどころか湯気が出そうなほど熱いスプライトを飲むことになりました。
敷地内はお店がほとんどありません。ルンビニを歩くときは飲み物を多めに持参した方が良さそうです。
白いストゥーパが光る日本山妙法寺
暑さにバテてあまり見ていないのですが、正面には白いストゥーパ、そして向かって左側にも参拝できる場所があります。
ここは宿泊もできるそうです。ただあくまでも巡礼のための宿なので、規則や生活リズムはお寺に合わせなくてはいけません。
ただきっとホテルやゲストハウスでは味わえない、独自の体験ができるでしょう。興味のある方は、お寺を直接訪ねてみてください。
世界遺産ルンビニの村
ルンビニはとにかく何もない場所です。
世界遺産の地として知られていますが、観光としての見どころは仏教寺院のみで、村にはこれといって面白いものはありません。
家の向こう側には田んぼが広がり、通りでは人々のリアルな生活の様子が見られます。
有名な観光地ではありますが、ポカラやカトマンズような雰囲気とはまるで違い、ルンビニの人々はとても素朴な気がします。
食堂にスーパーマーケットにゲストハウスと、滞在に必要なものは揃っていますが、長期で居座るよりは通り過ぎていく場所かもしれません。
ただ、カメラを向けるとにっこりほほ笑む、ネパール人特有の愛想の良さは健在です。
この村だからこそ味わえる空気を、ここで見つけてみると面白いでしょう。
ルンビニにいる物乞いの子供たち
ネパールはどこにいても物乞いがいますが、ルンビニでは子供の物乞いが特に多く見られました。
それだけ貧困率が高いのか、それとも外国人観光客が多いので稼ぎに必死になっているのか、その理由はわかりません。
だけどほかの地域の子供と違うのは、全身から貧しいオーラを漂わせていることでした。
小さな子供が眉間にシワを寄せ、苦しそうな表情で「マネー」と言い続ける姿は、ちょっと異様な光景でした。
貧しい国の子供は瞳がきれいだ、なんて聞くことがありますが、私はこんなにかわいくない子供を見たのは初めてです。
それは憎らしいという意味ではなく、クリアにはとても見えなかったのです。
この表情は苦しみからくる素顔なのか、それとも哀れみを乞うための演技なのか、原因をちょっと知ってみたくなりました。
そして伝わらないとわかりつつも、「お金が必要なら人の役に立つことをしてごらん」と思わず口から漏れてしまいました。
正直なところ、良くも悪くもこの現状に対しての意見は何もありません。
ただ明らかに私たちとは違う世界が、ここにあることを感じました。
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