カトマンズの名所・世界遺産パシュパティナートは火葬が見れるネパール最大のヒンズー教寺院

雨季に訪れたネパールで、最初に見たのは人が焼かれる様子でした。

カトマンズにあるヒンズー教最大の寺院、パシュパティナートには火葬場が併設されていて、そこへ一日に何体もの遺体が運びこまれます。

火葬場といっても専用の窯があるわけでなく、薪を積んだだけのとてもシンプルなものです。

そして残った灰は神聖な川に流されていくのが、ネパールでは理想の形されています。

この場所は世界遺産にも登録されていて、ネパール人をはじめ多くの観光客も訪れています。

そんな一風変わったネパール観光、パシュパティナートの様子をお伝えします。


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カトマンズ観光に選んだ場所

ネパールに到着した翌日、友人が私を街へ案内しようと「どこへ行きたい?」と聞いてきたので、真っ先に「お墓に行きたい」と答えました。

私はガイドブックに載ってる定番スポットよりも、墓地や工場跡や学校のような、ちょっと変わった場所を訪れるのが好きなのです。

このとき友人は「お墓」という日本語の意味が理解できかったので、「死んだ人を埋めるところ」と説明しました。

でも現地の人に「墓地に案内して」というと、大抵は「何で?」という顔をされるものです。

なのに友人は「あぁ、死んだ人のところね」とすんなり了解したので、ちょっと変な気持ちがしていました。

そして「マスク持ってる?なければこれ使いなさい。あの場所は臭いから」と使い捨てマスクを差し出してきました。

まぁ、カトマンズは空気が悪く、ちょうどマスクも欲しかったところです。

なぜ臭いのかは追求せずに、とにかくその「死んだ人のところ」へ向かいました。


カトマンズの寺院パシュパティナート

着いた場所には露店が並び、私がイメージしていたローカルな墓地の雰囲気ではありませんでした。

なーんだ‥きっと記念碑のような、観光地化されたお墓なのかも‥

そう思ってちょっとがっかりしましたが、伝わらないのは無理もありません。再リクエストするのは後にして、とにかく友人に続いて奥へと歩きました。

ネパール最大のヒンドゥー教寺院

ここはパシュパティナートといって、ネパール最大のヒンドゥー教の寺院です。

世界遺産にも登録されているらしく、外国人は入場料の1000ルピー(約1000円)を支払います。

ただ、入場料を払えば敷地内には入れますが、寺院の中にはヒンドゥー教徒以外は入れません。

なので私は友人が参拝し終わるのを塀の外で待つことにしました。

このあと目にする衝撃の光景に気付かないまま、手前の広場で何かを燃やす人々の様子をただじっと見つめていました。


ネパールにあるヒンドゥー教のしきたり

ネパール最大の寺院に入れない理由

現地で耳にしたヒンドゥー教のしきたりについて少しお話します。

宗教というのは決して自由な場ではなく、それぞれの思想のもとに、守るべきルールをたくさん持っているものです。

ヒンドゥー教はこれまでまったく馴染みがなかっただけに、聞くものすべてが珍しく感じました。

まず、パシュパティナート寺院にヒンドゥー教徒以外が入れないのは、メンバーでなければ許可されないという意味だけでもないようです。

ネパールの牛は神のつかい

ヒンドゥー教では牛は神のつかいとして扱われていて、とても神聖な生きものです。そのため人々は牛肉を食べることはありません。

例えば道の真ん中に野良牛が歩いていても、車の方が避けて通ります。水牛は家畜とされていますが、牛は神の一部なのですね。

ヒンドゥー教徒以外の人々は、そんな神のつかいを食用にしています。

好き嫌いや食へのこだわりは別として、日常的に牛を食べる暮らしの中で、生きているのは間違いありません。

なので、その汚れたからだで神聖な場所に立ち入るのは許されない、というのが入場禁止の理由だそうです。

そのほか、女性は生理のときには寺院に入ることができないのだとか。

このように、ヒンドゥー教には日本人には馴染みの薄い、様々なしきたりがあるようです。


パシュパティナートで見たネパール式の死の儀式

川沿いで行われるネパールの火葬

参拝を終えた友人と共に、さらに敷地の奥へと向うと、人だかりのできた橋がありました。

「ほら、あそこが死んだ人のところよ」と先を指差していましたが、私にはただ橋があるようにしか見えず、何をいわれているのかわかりませんでした。

近くにいくと橋の下には川が流れ、川沿いに設置されている四角い台の上から煙が出ています。

「死んだ人を焼いてるの。向こうは火が小さいから、そろそろ終わりね」

そう、私はお墓ではなく火葬場に案内されたのです。

確かにここは「死んだ人のところ」ですが、それは当初イメージしていた墓地以上に生々しい光景でした。

次々と運ばれる遺体と多くの見物客

焼き台の上に薪を並べ、まわりをオレンジの花で飾ります。

位が高い人やお金持ちほど上流に近い場所で焼かれるそうで、台のまわりも花でゴージャスにされています。

一般人が焼かれるときは花はこれほど多くなく、もう少し地味に作られるのだと聞きました。

川のすぐ脇にはこれから焼かれる遺体が置かれ、親族に囲まれ最後の儀式が行われています。遺体の足元を川につけて、水で清められていました。

そして歌を歌いながら違う場所へ運ばれていきました。すぐ横の台で焼かれるのかと思いきや、ポジションはここではないようです。

そしてまたすぐに別の遺体が到着し、今度は先ほどの台の上に乗せられました。

これほど次から次へとたくさんの遺体があると、もう「死んだ人」というよりは、物のようにしか見えません。

この川はガンジス河に通じているそうで、とても神聖な場として扱われています。そして遺体が焼かれる反対岸では、子供達が無邪気に川に飛び込んで遊んでいました。

こんなごちゃまぜな様子も、この国ならではの光景かもしれませんね。火葬の様子は橋の上から大勢の人が見物していて、遺体の間近まで行くこともできます。

ネパールの火葬、点火の様子

ひと通りの儀式が終わり、最後にいよいよ火が灯されます。白い布をまとった息子らしき男性が、遺体の胸元に火種を置き、儀式の時間が終了します。

そのときアゴの下に火を置いたように見えたので、顔から焼き始めるのかと驚きましたが、遠目だったのであまり細かい様子まではわかりません。

そのあと台の下にも火を入れ全体を燃やします。でも生身のからだが焦げていく様子は、さすがに見る気になりませんでした。

ネパール人はお墓を持たない

雨も降ってきたことだし、ちょうど儀式が終わったところでひとまず退散することにしました。

それにしても、雨が降り出す中でも火葬は続けられていましたが、薪だけで火力は足りるんだろうかなどと、余計な心配をしながらこの場を去りました。

焼けた灰は川に流されるため、彼らはお墓を持ちません。

魂は煙とともにヒマラヤ山脈を超えて天に昇り、灰は川を伝って母なる大河ガンガーへ戻っていくと考えられています。

「死んだ人のところ」といって火葬場に連れていかれたことも、「あの場所は臭いから」とマスクを持たされたことも、これで納得がいきました。

どうやらその匂いは、死臭を意味していたようです。


パシュパティナートへ行く方法

ネパールには鉄道がないため、移動にはバスかタクシーを使います。

パシュパティナートは空港から近く、カトマンズの中心部からも車で20分ほどの位置にあるので、アクセスは便利だと思います。

パシュパティナートへ行くための最寄りのバス停は、申し訳ないですがよくわかりません。

ただ、カトマンズを移動するためのローカルバスは、恐ろしく混雑することが予想されます。

その混雑ぶりというのは明らかに定員を超え、身動き取れないほどぎゅうぎゅう詰めの状態です。

なのでネパール慣れしていない方や、ツーリストだけでのバス利用は、できるだけ避けることをおすすめします。

タクシーに乗る際は外国人価格となるので、事前に値段をよく確認し、交渉した上で乗りましょう。


雨季に訪れるときの注意と持ち物

雨季だからといって特別なことはありませんが、折りたたみ傘は必ず持参してください。

ネパールの雨季は、突然大雨が降り出します。パシュパティナートの火葬は外で行われているため、運が悪ければずぶ濡れになってしまいます。

それからひと通りの儀式を見るには、長い時間がかかります。晴れているときも日差しをさえぎるために、傘はやはり用意があると便利です。


カトマンズの火葬場を訪れた感想

高価な墓石を建て、それを代々に渡って守り続ける日本人と、死後は何も残さず川に流してしまうネパール人。

パシュパティナートではこの対照的ともいえる死生観が、とても興味深く映りました。

パシュパティナートは神聖な場所でありながら、ダイレクトに死を目の前にする、かなりディープな一角です。

ちょっと変わった旅の体験として、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

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