バルト三国の真ん中の国、ラトビアに来たら必ず訪れるのは首都の「リガ」でしょう。
リガは街全体が独自の雰囲気をかもし出しており、世界遺産の街というのにふさわしい芸術性の高い建造物が数多く見られます。
あまり大きな街ではないため、徒歩での移動も可能ですが、観光の際にはエリアを絞るとよりわかりやすいかと思います。
ここではリガで見つけた、観光におすすめの4つのエリアをご紹介します。
1.リガ新市街の観光
まず、リガの街歩きは新市街から始まりました。新市街にあるゲストハウスからブリーヴィーバス(Brivibas)通りをまっすぐ進み、旧市街へ向かうシンプルなコースです。
ここでご紹介するほかにも、新市街にはユーゲントシュティールと呼ばれるの数々の建築が立ち並び、非常に見応えのあるエリアとなっています。
古聖ゲルトルード教会
まず最初に見えてきたのは赤レンガ作りの教会です。ここは古聖ゲルトルード教会といって緑のとんがり屋根が特徴です。
ブリーヴィーバス(Brivibas)通りとゲルトルード通りが交わる地点まで来ると、背の高い塔の姿が正面にどーんと見えてきます。ヨーロッパらしい美しい外観の教会です。
住所:Ģertrūdes iela 8, Centra rajons, Rīga, LV-1010
アレクサンドル・ネフスキー教会
新市街から旧市街へ向かってさらに歩くと、今度は黄色くて丸い屋根の建物が見えてきます。とても目立つ色をしているので見逃すことはありません。
こちらはアレクサンドル・ネフスキー教会いうロシア聖教会で、一見ミュージアムか何かのようにも見える可愛らしい印象の建物です。
住所:Brīvības iela 56, Centra rajons, Rīga, LV-1011
救世主生誕大聖堂
次に見えてくるのは大きなロシア正教会の建物で、救世主生誕大聖堂(Riga Nativity of Christ Cathedral)と呼ばれています。
このゴージャスさはリガの街にフィットしていない気もしますが、遠くからでもすぐに気付く、とても目を引く建造物です。
住所:Brīvības bulvāris 23, Centra rajons, Rīga, LV-1050
エスプラナーデ公園
救世主生誕大聖堂は公園内に建っていて、奥には噴水や像や学校などがあります。
ただお散歩してみるのもいいですし、暖かい季節にはベンチでひと休みするのもいいでしょう。
住所:Reimersa iela 1, Centra rajons, Rīga, LV-1050
自由記念碑
リガを代表する高さ42メートルのモニュメントです。戦争で犠牲になった兵士たちのために建てられたもので、自由、独立、主権のシンボルとして扱われているそうです。
周囲は広場になっており、公式式典などもここで行われています。両サイドには川が流れ、この川を境に向こう側が旧市街となります。
住所:Central District, リガ LV-1050
バスティカルナ(Bastejkalna)公園
自由の記念碑周辺は公園(Bastejkalna parks)になっていて、人々のくつろぐ姿が見られる美しい公園です。
冬場は川が凍って真っ白になり、夏場はボートに乗ることができるそうです。
住所:Central District, リガ LV-1050
2.リガ旧市街の観光
リガの旧市街はコンパクトで、石畳の道や古い建物が街の雰囲気をかもし出しています。
冬は人通りが少なく閑散としていますが、ショップはオープンしているので、小さなお店を見て回るのも楽しいでしょう。夏はテラス席で食事を楽しむことができます。
火薬塔とラトビア軍事博物館
とんがり屋根の筒型の建物は、かつて火薬庫として使用されていたもので、現在はラトビア軍事博物館となっています。
外壁にはソ連軍が撃った銃弾が埋め込まれているそうで、破壊と修復を繰り返しながらも、今もなお中世の姿を残している貴重な建物です。火薬塔の先には城壁も残されています。
Smilšu iela 20, Centra rajons, Rīga, LV-1050
旧スウェーデン軍兵舎
火薬塔の脇にはギフトショップやカフェが並ぶ黄色い建物があります。
ここはトゥァルニャ通りといって雰囲気のいい通りですが、この可愛らしい建物は意外なことに、旧スウェーデン軍兵舎だっただそうです。
スウェーデン門
かつてこの辺りは城壁に囲まれていて、その名残りとなる門が付近にひとつだけ残されています。
ここは向かいの兵舎にいたスウェーデン人が頻繁に利用していたため、スウェーデン門と呼ばれるようになりました。
スウェーデン門にまつわるちょっと怖い話
その昔、リガでは外国人との接触が固く禁じられていたそうですが、ひとりの娘とスウェーデン兵が恋に落ち、ここで密会していたそうです。
後にそれが見つかってしまい、娘は罰として壁に埋められてしまったのだとか。以来、夜にこの門を通ると娘の泣き声が聞こえるという噂です。
壁埋めの刑とは悲劇のラブストーリーにしては怖すぎる、スウェーデン門にまつわるリガの伝説でした。
リガ大聖堂(ドーム教会)
リガ大聖堂は別名ドーム教会と呼ばれており、バルト三国の大聖堂の中で最大の規模を誇ります。
毎日12時からパイプオルガンの演奏が行われていて、リガ大聖堂のオルガンは世界で4番目にパイプが多いことでも知られています。
大聖堂の入場は有料ですが、古い教会に響く豊かな音色を聴きに訪れてみてはいかがでしょうか。
旧市街は道が狭く教会を見上げる形になることが多いですが、リガ大聖堂の前には広場があるので、少し引いた位置から大聖堂全体の姿を見ることができるでしょう。
広場ではマーケットやオープンカフェやコンサートなど、季節によって様々なイベントが行われています。
住所:Herdera laukums 6, Centra rajons, Rīga, LV-1050
リーヴ広場
旧市街の中心ともなるリーヴ広場。露天やイベントなど様々な催しがあるのはもちろんのこと、北側に猫の家があることでも知られています。
そのほか広場には石の彫刻などが置かれ、どこかアーティスティックな空間となっています。
住所:Central District, リガ LV-1050
聖ペテロ教会
すらっと空高く伸びる、リガを代表する教会です。塔の高さは123mあり、展望台となる100mの場所まで上ることができます。
聖ペテロ教会はこれまでに落雷や戦争などでダメージを受けながらも、何度も修復をくり返し現在の姿を保っています。
住所:Skārņu iela 19, Centra rajons, Rīga, LV-1050
ブレーメンの音楽隊
聖ペテロ教会の脇には、動物たちが縦一列になった像が置かれています。これはグリム童話のブレーメンの音楽隊で、ロバの鼻を撫でながら願い事をすると叶うとされています。
なぜここに像があるかというと、ドイツのブレーメンとリガは姉妹都市であるため、ブレーメンから寄付されたのだそうです。
住所:Pēterbaznīcas iela, Centra rajons, Rīga, LV-1050
ブラックヘッドハウス
リガ旧市街で最も華やかなのは、おそらくこの場所ではないでしょうか。ここはかつて若い商人や職人たちの集会場として利用されていた建物です。
現在は入場ができないようですが、外観だけでも見応えのあると思います。
住所:Rātslaukums 7, Centra rajons, Rīga, LV-1050
3.リガ中央市場と国際バスターミナル
他国からリガを訪れる際はバスを利用するケースが多いですが、そのとき到着するバスターミナルと、リガ市民の台所を支える中央市場は隣り合わせに位置しています。
街の中心部からそれほど遠くないので、何かと利用しやすいと思います。
リガ中央市場
リガ旧市街の南東には丸い屋根の建物があり、そこは様々な種類の食品が買える市場となっています。
屋内だけでなく野外のテントでも様々なマーケットが並んでいて、日用品や果物や衣類などが売られています。
肉や魚はもちろんのこと、種類豊富なチーズを少しずつ選んだり、現地のハチミツを小瓶で購入することなどができるので、旅行者にも利用しやすいでしょう。
この市場の規模は東ヨーロッパ最大だそうですが、内部は確かにとても広く、そして見ているだけでも楽しいと思います。
住所:7, Nēģu iela, Latgales priekšpilsēta, Rīga, LV-1050
リガ国際バスターミナル
近隣国とリガを結ぶ、ラトビアの玄関口となるバスターミナルです。中には荷物預り所があるので、移動の前の空き時間に市場でショッピングを楽しむことも可能です。
ここから旧市街までは徒歩15分、新市街までは徒歩20分ほどなのではないかと思います。バスを利用する予定がある場合は、あらかじめ位置を覚えておくといいでしょう。
住所:Prāgas iela 1, Latgales priekšpilsēta, Rīga, LV-1050
リガのタクシーを利用する際の注意点
長距離バスでリガに到着後、荷物を持った状態で宿泊施設へ移動するには、タクシーを利用するケースが多いかと思います。
タクシーはバスターミナル前の道で拾うことができますが、リガのタクシーは外国人をターゲットにした露骨なぼったくりがあるので注意してください。
利用の際は事前に宿泊施設に料金を尋ね、相場を把握しておくこと。そしてタクシー乗車前には再度、ドライバーに行き先までの料金を確認することをおすすめします。
もしもそこで大きな違いがある場合は乗車をやめましょう。ちなみに私は急いでいたため確認を怠り、見事にぼったくられて4倍の料金を支払いました…
4.リガのちょっと不思議な公園
主に観光客が集まるエリアから東北側に、ちょっと不思議な場所を見つけました。
そこは公園になっているのですが、敷地内には古いお墓や建物がいくつもあり、だからといって一般の墓地のようにはとても見えない、ミステリアスな場所でした。
公園内に佇む古く小さな建物
敷地内には古く小さな建物が点在していて、中には教会もありました。この場所に関しての情報がないため、これらはいつ何のために造られたものかはわかりません。
写真を撮っていると、通りがかりのおじさんが何やら親切に熱弁してくれましたが、ロシア語だったために理解ができず、けっきょく今でも謎のままです。
あちこちに散らばる墓石
あちこちに古い墓石や十字架が散らばってますが、誰かが管理している墓地にはとても見えません。
だけどその光景は遺跡を見ているようで面白く、個人的にはこの場所がとても気に入りました。
観光客はあまり訪れない場所だと思いますが、このように街歩きの際には、主要スポット以外を探索してみるのも面白いでしょう。
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