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モンゴルのシャーマンにインタビュー!シャーマニズムと儀式体験

近年、世界各地でスピリチュアルブームが起こり、精神世界の分野で活躍する人が増えました。

ですがこのような関わりは古代から続いてきた習わしであり、モンゴルでは歴史や文化とともにシャーマニズムが受け継がれています。

そんなモンゴルに存在しているシャーマンと、実際に行った儀式の様子についてまとめました。


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モンゴルにおけるシャーマンの歴史と役割

シャーマンとは先祖の霊や精霊をカラダにおろし、生きてる人間と交信するための受け皿になる人のことです。

シャーマンの歴史はとても古く、紀元前200年頃にはすでに活動が始められていたそうです。

そしてモンゴル帝国が栄えた13世紀にはさらに活発になり、初代皇帝のチンギス・ハーンも信仰を深めていたそうです。

信仰スタイルは地域によって違いがあり、大きく分けて北モンゴル・東モンゴル・西モンゴル・中央モンゴルの4つが存在しています。

また癒しや浄化のパワーを持つ「白」と、呪いをかけたり解いたりする「黒」のパワーにも分かれています。

モンゴルではチベット仏教と並んで、人々の間にシャーマニズムが強く根付いているため、現代も儀式は頻繁に行われています。

特に悩みがあったり新しい仕事を始めるときなどは、シャーマンに助言を求め、参考にするケースが多いようです。


本物のシャーマンに聞いた7つの質問

謎の存在であるシャーマンですが、詳しいことは本物に聞くのが一番ですね。今回はウランバートル在住の現役シャーマン、エンヒバタさんにお話を伺いました。

エンヒバタさんは西モンゴルの遊牧民出身で、普段は会社勤めをしています。シャーマン名は「デレム」といい、3年間修行を重ね活動を始めたそうです。

1.シャーマンになったきっかけはなんですか?

私がシャーマンになる前、家族が病気になったり事故に遭ったりと、良くないことが続いていました。

気になったのであるシャーマンにみてもらったところ、家族の中にひとりシャーマンの役目を持つ者がいて、それに気付かせるためにトラブルを起こしていると言われたんです。

さらに、それは丑年生まれの者だと伝えられたのですが、家族・親戚の中で丑年生まれは私しかいませんでした。

もしもシャーマンにならなければ、今後も災いは続き家族はどんどん不幸になると言うので、もうやるしかありませんよね。

そのシャーマンは同じ西モンゴルの出身だったので、弟子にしてくれないかとお願いしました。それ以降は家族の運勢が良くなりましたよ。

2.以前から霊的な能力はありましたか?

能力というほどではありませんが、小さな予感は当たることが多かったです。

例えば遠くから親戚が来る予感がすると、次の日には連絡があるなどです。私が遊牧民だったときは、群れからはぐれた牛や馬をよく当てたりしてましたね。

そして、41個の小石を使った占いをやってました。シャーマンになる前は占い師として活動してたんです。

3.以前はシャーマンの存在をどう思ってましたか?

単なる占い師だと思ってました。実際はまったく違いますね。占い師はトランス状態に入ったり、精霊の言葉を話したりしませんから。

シャーマンの世界は奥が深く、どの地域の神とつながるかも決められています。私は西モンゴルの神とつながっていて、ウランバートルにいてもそれは変わりません。

4.修行中ツラかったことはありますか?

特にありません。長いお経を唱えるわけでも、座禅を組むわけでもないですから。

修行の内容は精霊をカラダに呼び込むトレーニングをするわけですが、導かれるので身を任せていれば、何も難しいことはありませんでした。

5.トランス状態のときはどんな感じですか?

寝ているときと起きてるときの中間にいる感じです。声は聞こえるけど内容を把握できるほど、頭ははっきりしてないです。

そして話しているのは自分の意思ではないので、半分夢の中にいるような感覚というのでしょうか。終わった後はその時のことをあまり憶えてません。

6.大変だったこと・嬉しかったことは何ですか?

大変というより困ったことは、「呪いをかけてください」という依頼を受けたときです。

私は呪いを操るシャーマンではありませんが、仮にできたとしても人を不幸にする手助けはしたくないので、そのような依頼はすべてお断りします。

嬉しいことは素直にお礼を言われたときですね。私はただ媒体になっているだけで、特に何もしてないのですが、喜んでくれたときはやはりやってて良かったと思います。

7.儀式をお願いするにはいくらかかりますか?

私は商売をしてるわけではないので、儀式に値段はついていません。

ほとんどの方は最後にいくらか置いていってくれますが、それはあくまでも相手のお気持ちとして受け取っているので、儀式の料金とは違います。

仮に少額だったり何もなかったとしても、それでも問題ありませんよ。儀式に来るのは何かしらの理由があるので、その方が幸せになるのが最も価値のあることです。


精霊と交信するシャーマンの儀式

とても優しいエンヒバタさん。表情からは穏やかなオーラが漂っています。ですがシャーマンの衣装を身にまとい、お面を付けるとその雰囲気はガラッと一変します。

ここからはもう、さっきまで話していたエンヒバタさんではなく、シャーマンのデレムに移り変わります。

お供え物のミルクとお菓子を用意して、床に座ったシャーマンが大きな太鼓を構えれば、いよいよ儀式の始まりです。

この太鼓は精霊を呼び出すためのものであり、シャーマンの必須アイテムのひとつです。

太鼓を叩くとシャーマンのカラダは左右に揺れはじめ、だんだんと激しくなる音が最高潮に達した直後、突然びくっと震えて静まり返ります。

びくっとしたのは精霊がカラダに入ったときの振動であり、このとき場の空気が変わったことを感じます。

ここでは「精霊」という言葉を使っていますが、実際は先祖の霊なのか高次元の存在なのか、正体はまったく不明です。

精霊はシャーマンのカラダを通していろいろとメッセージを伝えてくれますが、ときには誰も知るはずのない、家族の様子や自宅から見える景色なども言い当てます。

儀式中は質問も可能なので、気になることを尋ねれば大抵のことは答えてくれるでしょう。

また必要があれば持ち物にエネルギーを吹き込んだり、塩やお香などのアイテムを持たせてくれることもあります。

そうしてひと通りのやり取りが終わったら、再び太鼓の音とともに元の世界へと戻ります。ちょっと不思議でとても興味深い、シャーマンの儀式の終了です。


おわりに


※2016年にも取材を行っています。草原で儀式を行うシャーマンのデレム

日本ではあまり馴染みのないシャーマニズムですが、モンゴルの人々にとっては案外身近な存在のように感じました。

衣装など外見は重々しい雰囲気を持ちますが、実はとても優しく導いてくれる、エンヒバタさんの儀式も素晴らしかったと思います。

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