バルト海に接する北ヨーロッパのエストニア。人口わずか134万人の小国ですが、世界有数のIT国として知られています。
その一方で首都タリンの旧市街は、数々の歴史的建造物が残る世界遺産の街となっており、中世の街並みを感じさせる独自の雰囲気が漂います。
物価が安い上に治安が良く、観光の見どころも多いため、女性の一人旅や初めての海外旅行にもオススメです。
今回はそんなタリン市内を移動するための、アクセス情報をまとめました。
日本からエストニアまでのアクセス
日本からエストニアへの直行便はない
日本からエストニアへ行くには、飛行機の直行便はありません。経由地となる国は色々ありますが、最短はフィンランドを経由するルートだと思います。
フィンランドは日本から最も近いヨーロッパといわれており、フライト時間は東京からヘルシンキまで約10時間半、ヘルシンキからエストニアのタリンまで30分です。
私はポーランドを経由しましたが、成田からポーランドのワルシャワ空港まで約11時間半、ワルシャワからタリンへは約1時間半でした。
乗り継ぎ時間によってトータルの所要時間は変わりますが、近隣のヨーロッパ諸国を経由する分には、パスポートチェックが一度で済むためかんたんです。
ヘルシンキから船でタリンに行くことも可能
フィンランド到着後、ヘルシンキから船でタリンへ渡ることも可能で、あえてバルト海クルーズを旅のプランに入れる方も多いようです。
船の所要時間は約1時間40分〜2時間半。運行会社によって発着ターミナルが変わるので、間違えないよう注意しましょう。
ただこのルートでタリンへ向かう場合は、飛行機の遅延の可能性なども頭に入れ、ヘルシンキ到着日にフェリーを予約するのは避けた方が無難です。
ヘルシンキ〜タリンの船の予約サイト
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タリンの交通機関を使う際の注意点
タクシー乗車の際の注意点
タリンの治安は良好ですが、タクシーを利用する際には注意しましょう。まずエストニアのタクシー料金は一定ではなく、会社によって様々です。
予想より少し高かった…程度なら問題ありませんが、中にはメーターが早く上がるよう設定している悪質なドライバーもいて、それに当たると料金が何倍にもなってしまうそうです。
ちなみにタリンではありませんが、私もタクシーで4倍の金額を請求された経験をしており、このような出費はできるだけ避けたいところです。
これは相場を知らない外国人がターゲットとなるため、あらかじめおおよその金額を把握し、事前にドライバーに確かめてから乗車することをオススメします。
タクシー配車アプリ「taxify」
エストニアには独自のタクシー配車アプリというものがあり、こちらを利用すれば金銭やり取りはアプリ上で行われるため、安心かつ便利です。
私は使ったことがありませんが、是非チェックしてみてはいかがでしょうか。これに似たアプリでは、世界各国で使える「Uber」があります。
注意点はネット環境が必要なことで、タクシーを呼びたいに場所に都合よくWi-Fiがあるとは限りません。利用の際は現地で使えるSIMカードを準備しておきましょう。
バス・トラム乗車の際の注意点
バス・トラムでの注意点は、運賃を紙幣で支払った場合にお釣りが出ないことがあります。
これはエストニアに限らず海外ではよくあることなので、そういうものと思っていた方がいいでしょう。乗車の際は必ず小銭を用意してください。
どうしても小銭が作れない場合でも、5ユーロ紙幣があればなんとかなるかもしれませんが、高額紙幣ではおそらく断られると思います。
日本人はお金を細かく持つのを嫌う傾向にありますが、旅の途中は紙幣も細く持っておく方が何かと便利です。
公共交通機関で使えるカード
現金払いのほかには公共交通機関で使えるカードがあり、こちらの方が料金がお得で小銭を準備する手間も省けます。
一度きりの乗車であれば必要ありませんが、頻繁に利用するならば取得してみてはいかがでしょうか。
知らない土地ではGoogleマップがやっぱり便利!
タリンの交通は難しくありませんが、表示やアナウンスが現地語ということもあり、慣れるまでは戸惑うかもしれません。
そんな時はGoogleマップであらかじめ目的地を設定しておき、乗車中はGPSでバスの動きを随時確認していると間違えにくいです。
GPSはオフラインでもチェックできるので便利なのと、万が一乗り間違えて、別の方向へ進んでしまった時にもすぐに気付くことができます。
タリン空港からのアクセス
空港からトラムで旧市街へ
空港内をまっすぐ歩き、一番奥の出口から外へ出ると、正面にトラム乗り場(4番)があります。このトラムは空港と旧市街を繋いでいて、本数も多く出ています。
トラムの料金は2ユーロ(約270円)、「Viru」という場所で降りると旧市街の入口であるヴィル門付近に到着します。
難点は旧市街の地面は石畳の場所が多いため、トラムを降りてから宿まで距離がある場合は、スーツケースを転がすには厄介です。
そのため荷物が多いときはタクシーの方がスムーズです。街を歩くのにピンヒールなども適していないのでご注意ください。
空港からバスで長距離バスターミナル・フェリー乗り場へ
空港からバスに乗る際には2番のバスに乗車します。料金は2ユーロ(約270円)です。
長距離バスターミナルは「Bussijaam」で下車、フェリー乗り場は「Reisisadam」または「Reisisadam D-terminal」で下車します。
利用する船会社によってターミナルが異なるそうなので、予約の際に確認してください。
タリン空港からのタクシー料金の目安
タリン空港はコンパクトなため、乗り場を探して迷うことはありません。タクシーは到着ロビーから外に出れば、建物前に並んでいるのが見つかります。
私がタリンでタクシーを利用した際の料金は以下の通りでした。料金は一定ではないので目安でしかありませんが、参考にしていただければと思います。
【空港から旧市街まで】
料金は9ユーロ(約1200円)、所要時間は約15分くらい。現地の人に伺っても、空港から旧市街までの料金は10ユーロ(約1340円)以内という情報がほとんどです。
【空港から長距離バスターミナルまで】
4ユーロ(約530円)以下でした。正確にはバスターミナルから徒歩10分くらい離れた場所から利用しましたが、距離はそう変わらないと思います。
ただ現地の人に聞いたときは、5〜8ユーロ(約670〜1070円)くらいと言っていたので、そのくらいかかる場合もあるのかもしれません。
【空港からフェリー乗り場まで】
フェリー乗り場までは利用したことがありませんが、位置的には旧市街の先になります。
旧市街まで10ユーロ以内ということなので、おそらく10ユーロを少し超える程度で行けるのではないでしょうか。
タリン長距離バスターミナル
ヨーロッパ内の長距離移動はバスを使う機会が多いかと思いますが、バルト三国を走るバス「Lux Express」は清潔でサービスが良くとても快適です。
タリンの長距離バスターミナルは「Tallinna Bussijaam」といい、街から少し離れているため、トラムかタクシーで向かうといいでしょう。
旧市街からトラムでバスターミナルへ
旧市街からバスターミナルへ行くには「Viru」から2番か4番のトラムに乗り「Bussijaam」で下車します。
停留所はバスターミナルの真横ではありませんが、建物はすぐに見つかると思います。
タリンバスターミナルまでのタクシーの料金の目安
【旧市街からバスターミナルまで】
料金は5ユーロ(約670円)で、所要時間は10分くらいでした。旧市街のどの場所から利用するかにもよりますが、荷物がある場合はやはりタクシーが便利です。
【フェリー乗り場からバスターミナルまで】
フェリー乗り場からタクシーを利用したことがありませんが、位置で予想すると、おそらく7〜8ユーロ(約930〜1070円)くらいではないでしょうか。
正確な情報ではありませんが、おおよその目安として参考にしていただければと思います。
タリンの主な観光
タリン歴史地区(旧市街)
タリン観光の大部分は、この歴史地区(旧市街)に集中しています。城壁や教会など多くの歴史的建造物が残るだけでなく、街そのものが世界遺産として登録されています。
宿泊施設やレストランも多いため、ほとんどのツーリストはタリンの滞在をここで過ごしているのではないでしょうか。
街の治安はとても良く、どこか可愛らしい雰囲気であるため、女性にオススメかもしれません。規模は小さいですが見どころはたくさんあるので、色々と楽しめると思います。
漁師の町、カラマヤ地区
旧市街の隣には漁師の町といわれる「カラマヤ地区」があります。カフェやショップは観光チックではない、ローカルな雰囲気が味わえるエリアです。
海沿いはたくさんの船が並ぶハーバーとなっていますが、よく見ると青空博物館として古い船が展示されています。
時期にもよるかもしれませんが、この付近の海は静かなので、ちょっと足を伸ばすには気持ちがいいかもしれません。
タリンの交通まとめ
人々がとても親切でスマートな印象のエストニアですが、タクシーの露骨なぼったくりに関してだけはとても残念な情報でした。
荷物が多かったり早朝深夜に移動するときなど、どうしても必要な場面は出てくると思うので、ここはじゅうぶん注意したいところです。
ただタリンは小さな街であるため、市内観光は徒歩でも可能です。古い街並みや海沿いの景色など、ゆっくりとお散歩しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
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