私が初めて英会話に触れたのは42歳の時でした。年齢的に非常に遅いスタートを切りましたが、スローペースながらも何とか独学で進めていました。
そしてしばらく多忙を理由に学習をストップしていましたが、46歳となった今、ちょっと本気で再開してみることに決めました。
英語学習において良かったことや大変だったこと、また失敗談などをこのブログで色々とシェアしていくつもりです。
英会話に興味はあるけど諦めている方、何から始めていいかわからない方、独学で勉強したい方など、私と似た境遇にいらっしゃる方々の参考になれば幸いです。
40代後半から英語学習を始める理由
英語を始めたきっかけは、一人でカナダを訪れたときに、レストランで話しかけてくれた店員さんの言葉がわからず残念だったことからでした。
学生時代はほとんど勉強した経験がなく、高校も一年で中退しています。知っているのは子供でもわかるようなカタカナ英語のみで、会話はもちろん未経験でした。
その後英語を学ぶと決めたものの、まず最初の関門は学習の始め方にありました。低レベルからのスタートな上、何から手を付けていいかがわからなかったのです。
とりあえず本やドリルを購入するなど、思いつくことを試しました。この期間はけっこう長く続きましたが、けっきょく身についたものはありませんでした。
ですが英語学習という慣れない行為を始めるには、私にはじゅうぶんな準備運動が必要だったのかもしれません。
その後旅するごとに外国人の友人は増えていき、会話はカタコトながらも、少しは英語に慣れてきたと思います。
慣れたといってもまだまだ初心者レベルで、学習もストップしたり再開したりのくり返しでした。
そして40代も後半に差しかかったとき、このままカタコトで終わるのはもったいないと感じ始めました。
脳みそは年々衰えていきますが、海外でやりたいことはたくさん残っています。そのため少しでも頭が働くうちに、本気で学習を再開しようと思いました。
英語学習を進めるための3つの心構え
以下、英語学習に取り組む際の、意識の持ち方について感じたことをまとめました。
書かれていることはすべて主観であるため、これが正しいという意味ではありません。参考までに目を通していただければと思います。
1.英語への苦手意識は不必要
日本人は英語が苦手?
「日本人はなぜ英語が話せないのか!」というキャッチコピーや、これをテーマにした記事はたくさん見かけます。
内容のほとんどは「間違った学習法の改善」であり、これまでの非実用的な学習スタイルと、今後の有効的な学習法について説明されています。
学習者はそこから目からウロコな情報を得たり、励まされることがあるでしょう。ですが私にとっては不安をあおるだけの言葉でした。
なぜなら「日本人は英語が苦手」という、ハンデを背負ってるイメージが強くなってしまったからです。
その問題を解決するための有効な情報なのかもしれませんが、私はこの「問題→解決」の概念が好きではありません。
なぜなら解決するべき「問題」は、そもそも存在していないと感じるからです。多くの日本人が英語を話せない本当の理由は、いったい何なのでしょうか。
解決すべき問題は存在していない
多くの日本人が英語を話せないのは、単に習得するまで話してないからだと思います。
そしてこれまでの学習法は、会話に特化していなかったというだけで、間違っていたわけでもないでしょう。
つまり私たちは読み書きの基本形は学習したけど、サウンドで伝え合う会話の学習は、まだしていないだけなのです。
音楽に例えるならば、譜面の読み方だけを覚え、まだピアノを弾く練習をしていないようなものかもしれません。
それに対して「彼らはなぜピアノが弾けないのか!」と言ったら少し変ではないでしょうか。
弾けない理由は鍵盤をたたいてないからであり、「なぜ」と語るまでもありません。そして会話とは譜面通りに奏でるのではなく、数人で即興演奏しているようなものです。
それを習得するにはやはり基本の学習プラス実践練習が必要で、その練習をやっていないうちは問題にすらなりません。
「なぜ話せないのか!」と取り上げる前に、まずはスタートすることが最優先です。
「日本人は英語が話せない」はウソ
実は日本人は英語を話せます。確かに話せない人も多いですが、普段話せる人とは日本語で会話しているため、気付かないだけだと思います。
以前ヨーロッパから友人が来日した際、わが家に泊まりながら2週間、生活から観光まで行動を共にしたことがありました。
そのとき私も彼の趣味仲間である多くの日本人に会い、観光地では案内の方と世間話を交えた言葉を交わし、偶然出会った一般の方と会話が弾む場面などもありました。
会話はもちろんすべて英語です。それらの様子はどう見ても「日本人は英語が話せない」という情報とは一致しませんでした。
逆に、英語を話せる日本人ってこんなにいるんだと驚いたくらいです。それから私が旅先で出会う日本人も、みんな上手に英語を話しています。
どうやって身に付けたかは知りませんが、彼らだけが特別に優れた頭脳を持っているとは思えません。
それなら現在会話が不十分な人たちも、学習次第で英語を習得できるということでしょう。
2.英語を学ぶ目的を明確にする
初心者のうちは学習ポイントを絞る
効率よく学習を進めるには、何のために英語を身に付けようとしているのか、目的を明確にしておくことが大切です。
例えば日常会話がしたいのか、英語を使って仕事がしたいのか、どの国の人と話したいのかなどをできるだけ明確にイメージするといいでしょう。
向かう先があやふやだったり目的が複数あるのでは、学習が進むにつれて混乱を招く可能性が出てきます。
目的は変わってもいいし、最終的には複数でもいいでしょう。だけど初心者のうちはポイントを絞った方が、きっと学習効率が良くなると思います。
ちなみに私は外国にいる友人達と、英語でコミュニケーションが取れるようになることが一番の目的なので、まずは日常会話から徹底的に学習するつもりです。
「幅広く学習する」の意味
以前、日本語を勉強している外国人から質問を受けたとき、目的を明確にすることの重要性を感じました。
質問は山登りの場面をどう表現すればいいかという内容で、彼は日本語の文を作り、これで合ってますか?と聞いてきました。
その文は堅苦しい言葉と砕けた言葉がごちゃ混ぜで、意味は通じるものの、実際に使うとしたら不自然でした。
山登りといったらビジネスではあまり使わない内容ですが、ときには上司やクライアントと世間話をする機会もあるでしょう。
その場合は休日の出来事とはいえ丁寧な言葉を使いますが、もしも友人に同じように話すとしたら違和感があるように感じました。
そこで「あなたは日常会話がしたいの?それともビジネスがしたいの?」と聞くと「両方です」という答えが返ってきました。
確かに彼の言葉はその両方が混ざっています。これは幅広く学んでいるというよりも、基礎が不十分な状態です。
幅広く学習するというのは、ポイントを押さえた上で、たくさんの引き出しを持っていることだと思います。
充実しない引き出しがたくさんあるのならば、ひとつを充実させた方がよっぽど実用的かもしれません。
どの国の英語を標準にするかは自分次第
英語は国によって発音や言葉そのものが微妙に異なります。日本人はそれを「訛り」と言うことが多いですが、実は訛っているわけではありません。
訛りというからには標準があることになりますが、標準国はおそらく存在していません。そのためどの国の英語を標準にするかは自分次第です。
私は決まった訪問地域がないのですが、日本にある教材はアメリカ英語のものが圧倒的に多いので、まずはそこを勉強していくつもりです。
ただアメリカ以外の様々な国の人と接する機会があるので、「違い」の部分もできるだけ知っておこうと思います。
3.必要な英語から取り入れる
使う言葉を優先して覚える
外国語を身につけるには、膨大な量の情報をインプットしなければなりません。そのため私は覚えるものに優先順位を付けています。
例えば最優先となるのは友人との会話に必要な言葉で、後回しになるのはスペルを覚えることなどです。
大げさにいうと、会話ができれば文字は書けなくてもいいのです。もちろん学習していく上で文字を書く場面は多数あり、知らないよりは知っていた方がいいでしょう。
ただスペルを覚えるための時間があるならば、音を聞いて声に出す練習を優先します。
それから使用頻度の低い言葉を覚えるのも後回しです。興味のないニュースを読んだり、本に載っている単語を端から順に暗記したりはしません。
逆に趣味や仕事や日常生活など、自分自身に関わる内容は、実際の会話で話題になることが多いです。そのためそれらの言葉を先に覚えると、会話が進みやすくなるでしょう。
あとは友人からメールをもらったときや、興味のある映画やドラマを見たときなど、英語に触れていれば自然と知らない言葉が出てきます。
そこには「関わったのにわからなかった」という事実があるので、覚えなければならない単語リストに入ります。
そのように実際の関わりの中から言葉を拾うと、使用頻度の高いものから覚えられるので、効率的ではないかと思います。
文法用語は不必要
文法を身につけるのは大切ですが、教材によっては難しい用語が登場します。
例えば「現在完了形」「不定代名詞」「S・V・O・C・M」などと言われても、学校の勉強をしていない私にとっては、馴染みが薄く何のことだかわかりません。
用語の理解を深めるのが不要かどうかは判断できませんが、わざわざ覚えたところで、実際の会話で役に立つとは思えないのが正直なところです。
別の言葉で説明されている教材もあるので、文法に関してはもうしばらく、自分にとってわかりやすい方法で学んでいこうと思います。